引き続き「もう一段の反発(ポジション調整)」が期待できる…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/05/21 10:19

◆上下動するも、結局は“110円”付近…

※ご注意:予想期間は5月22日と表示されていますが、本日(5月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


マイナスが予想された「本邦GDPが上振れた(+2.1%)」ことを背景に、昨日は“リスク選好⇒円売り”が優勢となる場面が見られました。
ドル円は上値を伸ばし、上値メドの一つと見た“4/24~5/13の38.2%戻し(110.312円)水準”まで一時上値を伸ばしました。
しかし「個人消費/設備投資はマイナス(-0.1%/-0.3%)」「輸出(-2.4%)より大きな輸入(-4.6%)の減少」が上振れ要因との見方が強まり、次第に伸び悩みに転じていきました。

一方で依然として続く「きな臭い米中動向」を背景に、NYタイム序盤には“109.808円”へ押し戻される場面も見られました。
ただし“リスク回避⇒円買い”に傾斜するほどではなく、下値追いも長くは続きませんでした。
こうして結局は“110円の大台”付近に値を戻し、そのまま東京タイムへとつないでいます。

◆「110円付近で揺れ動き(膠着)」が自然だが…?

“欧米株安”を背景にした「日経平均下落⇒リスク回避⇒円買い」を懸念する声が聞こえますが、しかし昨日は“株安”と共に“債券安(金利高)”も進んでいます。
“リスク回避⇒円買い”が入ったとしても、“金利選好のドル買い・円売り” も並行する可能性は高く、つまり「リスク回避一辺倒」は期待薄…。
だからといって「リスク選好⇒円売り」となるわけではありませんが、根強い米中懸念を背景に「イメージは下方向」は続き、ポジションは「ドル売り・円買いに傾斜しがち」…。

今朝方の「パウエルFRB議長発言」で動意づかなかったことを考えれば、昨日に続き「110円付近で揺れ動き(膠着)」と見るのが自然ではあります。
それでも「もう一段の反発(ポジション調整)」は、引き続き期待できる局面と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.783(日足・一目均衡表先行スパン下限、100週移動平均線、20月移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:110.710(4/24~5/13の50%戻し、5/3~5/13の61.8%戻し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、月足・一目均衡表先行スパン上限)
上値3:110.600(20日移動平均線、20週移動平均線)
上値2:110.502(100日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:110.316(5/20高値、4/24~5/13の38.2%戻し、5/3~5/13の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:110.045(大台)
下値1:109.808(5/20安値、5/13~5/20の38.2%押し水準、-1σ、月足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値2:109.669(5/13~5/20の50%押し、日足・一目均衡表転換線、月足・一目均衡表基準線)
下値3:109.590(週足・一目均衡表先行スパン下限/基準線、ピボット2ndサポート)
下値4:109.494(5/17安値、5/13~5/20の61.8%押し)
下値5:109.334(5/16安値、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:58 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想