リスクは「ダウンサイドより、むしろアップサイド」…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/05/10 10:29

◆下値探るも、値を戻す…

※ご注意:予想期間は5月11日と表示されていますが、本日(5月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「ヘッドラインに振り回される」が続く中、これに懸念した「仕掛け的な動き」が加わりました。
「米中通商協議を巡る疑念」は増幅する格好となり、ドル円は一時“3/25安値(109.706円)”を割り込みました。
一方で昨日も「ストップロス」は目立たず、売り一巡後は109円後半へ値を戻すなど、「上値は重いが、下値も堅い」を地で往く動きを続けています。

◆『関税引き上げ』は避けられないと見るが…?

ヘッドラインは“好悪入り混じって”いるものの、中国がすぐさまスタンスを転換するとは想定しづらく、10日0:01(日本時間10日13:01)に迫る『2000億ドル相当の関税を25%に引き上げ』は避けられないと見るのが自然です。
しかし「ある程度は織り込んだ」と見られる中、昨日の下落で「下値達成感が台頭してもおかしくない」という状況にあります。

株安を警戒する向きもありますが、今回のトランプ大統領は“対中強気発言”の後に“フォロー”を入れることも少なくありません。
これが“好悪入り混じる”につながっているわけですが、裏を返せば『株価動向を気にしている』と見ることも可能ということになります。
そうなると「リスク回避一辺倒」といった展開は想定しづらく、「大きくは下がらない」と見ることは十分可能ということになります。

『関税は引き上げも、通商協議は継続』がメインシナリオと見られるだけに、協議次第では「発動停止」となる可能性が残り、仮に発動しても「材料出尽くし」と捉えられる可能性も残る…。
「深追いできる状況」ではないだけに、リスクは「ダウンサイド(さらなる下値追い)より、むしろアップサイド(買い戻し)」と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.590(4/24~5/9の38.2%戻し、5/3~5/9の50%戻し、100日移動平均線、日足・一目均衡表転換線、-1σ、20週移動平均線)
上値4:110.413(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:110.292(5/8高値、日足・一目均衡表先行スパン下限、5/3~5/9の38.2%戻し)
上値2:110.101(5/9高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.000(大台)
前営業日終値:109.780(-2σ、月足・一目均衡表転換線)
下値1:109.646(週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表基準線)
下値2:109.570(週足・一目均衡表先行スパン下限)
下値3:109.432(2/4安値、5/9安値、ピボット1stサポート)
下値4:109.157(ピボット2ndサポート)
下値5:109.000(大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:43 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想