一喜一憂せず、見極める局面

著者:武市佳史
投稿:2019/05/09 10:20

◆一時110円割れも、その後は戻す…

※ご注意:予想期間は5月10日と表示されていますが、本日(5月9日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「米中通商協議」を巡る疑念は昨日も続き、“110円の大台”を明確に割り込む場面が見られました。
一方で「見極めたい」とのムードも台頭しており、「リスク回避姿勢」そのものは幾分和らいだ印象があります。
このため“3/25安値(109.706円)”を窺う展開にはなっておらず、“110円台”に戻して昨日の取引を終えています。

◆「イメージは下方向」に傾斜しているが…?

『2000億ドル相当の中国輸入品に対し、10日より10⇒25%に関税引き上げ』と米通商代表部(USTR)は正式通知したものの、「110円ラインを挟んだ揺れ動き」は続いています。
これは「合意に向けたディール」等を期待しているというよりは、「事の成り行きを見極めたい」というムードが台頭していると考えるのが自然です。
それでいて「懸念」は根強く、「イメージは下方向」に傾斜しているのが実状です。

◆それでも「ストップロス」は見られていない - イメージ先行…!?

「ヘッドラインに振り回される」という状況下、現時点では「上値が重い」が勝っていますが、それでいて「ストップロスを絡めた下落」は見られていない…?
そして「交渉は継続」というスケジュール感の中、まだ「残り3250億ドル相当の取り扱い」も定かにはなっておりません。
この段階で「世界的な景気減速」を囃すのは“往き過ぎ(悲観し過ぎ)”であり、「リスク回避一辺倒」に傾斜する展開は想定しづらいところです。

「ヘッドラインに振り回される」は本日も続くでしょうが、引き続き「すでにいい処まで落ちた」と見たいところです。
そして一喜一憂せず、「事の成り行き」を見極めたいところです。
「(3/25安値割れを狙う)仕掛け的な動き」には、警戒しながら…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.578(5/3~5/8の38.2%戻し、100日移動平均線、20週移動平均線)
上値4:110.484(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:110.340(日足・一目均衡表先行スパン下限)
上値2:110.292(5/8高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.141(-2σ)
前営業日終値:110.089(大台)
下値1:109.902(5/8安値、ピボット1stサポート)
下値2:109.818(月足・一目均衡表転換線)
下値3:109.706(3/25安値、月足・一目均衡表基準線、ピボット2ndサポート)
下値4:109.646(週足・一目均衡表基準線)
下値5:109.559(2/6安値、週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:39 ドル円 抵抗・支持ライン追加
10:57 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想