思惑先行の下落は“すでにいい処まで落ちた”…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/05/07 10:35

◆トランプ米大統領発言で“リスク回避⇒円買い”も、“大きく崩れる”には至らず…

※ご注意:予想期間は5月8日と表示されていますが、本日(5月7日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「中国PMIの下振れ」「FOMCのインフレ表現・下方修正」もありましたが、懸念された「フラッシュ・クラッシュ」は見られませんでした。
このため“静かな値動き”を続けたドル円は、やや値を落としたものの“概ね111円台をキープ”していました。
しかし5日の「トランプ米大統領発言(対中関税を引き上げ等)」をキッカケに、連休最終日(6日)には“リスク回避⇒円買い”が目立ちました。

もっとも“大きく崩れる”には至っておらず、現在は“下げ渋り”が目立っています。
一時“470ドル超安”を見せたNYダウは急速に下げ幅を縮め、これに引っ張られる形でドル円は“110.28円⇒110円後半”へと値を戻し、連休最終日を終えています。

◆まだ“下げ止まった”とはいい切れないが…?

最大関心事は「米中通商協議の行方」と見られますので、“ヘッドラインに振り回される”には目先、注意を払う必要があります。
ただ思惑だけで進行した昨日の動きは、すでに“往き過ぎ”となっている可能性を秘めています。

“下げ止まった”とはまだいい切れませんが、テクニカル的には“日足・一目均衡表先行スパン下限(本日は110.316円)”で反発し、“100日移動平均線(同110.623円)”を上回った格好です。
“方向感が定まらない”を見据える必要はありますが、“すでにいい処まで落ちた”“過度な悲観論は禁物”と考えながら、事の成り行きを見極めたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.376(50日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、4/24~5/6の50%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:111.257(日足・一目均衡表転換線、50週移動平均線)
上値3:111.164(-1σ、ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.089(4/24~5/6の38.2%戻し、週足・一目均衡表転換線)
上値1:110.961(5/6高値、大台)
前営業日終値:110.870
下値1:110.750(日足・一目均衡表先行スパン上限、-2σ、100週移動平均線、20月移動平均線、月足・一目均衡表先行スパン上限、5/6安値後の38.2%押し)
下値2:110.622(100日移動平均線、20週移動平均線、5/6安値後の50%押し)
下値3:110.540(5/6安値後の61.8%押し)
下値4:110.446(ピボット1stサポート)
下値5:110.280(5/6安値、日足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:08 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想