今週の日経225予想 米中の通商関係悪化懸念でリスクオフに(5/6週)

著者:山口哲也
投稿:2019/05/06 12:52

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は小幅続伸。週初4/29に22,223円で寄り付いた日経225は、米国株が堅調に推移したことなどから、5/1には一時22,516円まで上昇。その後はFOMC後のパウエルFRB議長が記者会見で「物価の伸び悩みが一時的で現在の金融政策は適切である」と発言すると、利下げ期待が後退し米国株が軟調に推移。日経225も売られる展開となりました。5/2は中国のメディアが「米中貿易協議が行き詰った可能性がある」と報じたことでNYダウは一時約250ドル下落し、日経平均も22,223円まで下落。
週末にかけては米国株が持ち直したことで日経平均も値を上げ、引けにかけて22,525円まで上昇し、22,517円で引けました。

なお今週の主要経済指標は図のとおりですが、5/6時点においては、トランプ米大統領がツイッターで対中国関税(2000億ドル相当)を10日に現在の10%から25%へと引き上げるとつぶやいたことに加え、中国側が8日に予定されていた米中閣僚級貿易協議をキャンセルする意向を示したことで、日経225は22,103で寄り付いた後、22,007円まで値を下げる展開となっています。
マーケットは米中の通商動向についてセンシティブになっており、今週はリスクオフに傾きやすい週になると考えます。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
4月初めに22,000円台を回復した日経225(TFX)ですが、現在も辛うじてこの水準を維持しています。以前からお伝えのとおり22,000から23,000が昨年一年間のコアレンジとなっており、週足52MA(22,050)も位置するこの水準を、週足の終値ベースで維持できるかどうかに注目です。
移動平均線は短期13週MAが26週MAを上回り上向きとなっているため、中期的な上昇トレンドは継続中と見ていますが、ストキャスティクスは下降基調となっているため、少なくとも13週MA(21,768)付近までは余裕を持って見ておきたいところです。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX )の日足チャートです。
一目の雲は右肩上がりとなっているため、中期的には上昇トレンド継続と見ていますが、ストキャスティクスが50%を上回るものの下降基調となっているため、当面はスピード調整が続くものと思われます。
サポートは一目の基準線が位置する22,004円や200日移動平均線が位置する21,929円を考えており、21,929を下回る場合は21,500をサポートと考えています。
冒頭にもお伝えのとおり、マーケットは米中の通商動向についてリスクオフに傾いており、決算動向もありますが、当面は上値の重い展開となりそうですが、仮にこの水準を下回った場合に、再度上回るようであれば買いを考えてもいいかもしれません。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想