警戒感あるが、「いい押しが入った」…?

著者:武市佳史
投稿:2019/04/10 11:02

◆センチメント悪化 - 一時“111円ライン”割れ…

※ご注意:予想期間は4月11日と表示されていますが、本日(4月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


イベントを控えた“様子見ムード蔓延”と思いきや…?

流動性が低下する中、「IMFは世界経済成長見通しを引き下げ」「米国はEU製品に110億ドルの報復関税を導入」との報を背景に、“センチメントは悪化”しました。
これに「Brexit関連の混迷」も加わり、次第に“リスク回避⇒円買い”が優勢となっていきました。
“株安”が進行する中、ドル円は“111円ライン”を一時割り込みました。

◆“さらなる下値追い”への警戒感あり…

ただし「主要イベント(ECB理事会/EU首脳会議/FOMC議事録)」を控えるスケジュール感であることは変わりませんので、「積極的なポジション構築」は手控えられています。
このため「一方向への動き」も、限定されています。

“株安”は連鎖する可能性が高く、“センチメントはさらに悪化”と見るのが自然かもしれません。
このため“さらなる下値追い”への警戒感も、緩めることができないのが実状といえます。

◆ただ「主要イベント&テクニカル」が下値を支える…!?

しかし本日は、いよいよその「主要イベント」が行われます。
それまではさらに「一方向への動き」は限定される可能性が高く、「テクニカル的なサポート(100日移動平均線:本日は110.925円/50日移動平均線:同110.860円)」も期待できる位置関係です。

あとは“結果次第”ということになりますが、最も大きなリスクはやはり「Brexit(EU首脳会議)」と見られます。
ここで「合意なきBrexit」へと近づかない限りは、やはり「大きくは崩れない」…?

「イメージは下方向」へと傾斜していますが、「111円前半を中心とした膠着」を基本としながら、ことの成り行きを見極めたいところです。
「いい押しが入った」…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段よりも値幅を拡大しています。
112.853(18/12/18高値)
112.660(18/12/19-20高値、50月移動平均線)
112.134(3/5高値、+2σ、ピボットハイブレイクアウト)
112.015(200週移動平均線、大台)
上値5:111.918(3/6高値、3/15高値)
上値4:111.821(4/5高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.727(4/8高値)
上値2:111.574(4/9高値、+1σ、週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:111.493(200日移動平均線、ピボット1sレジスタンス)
前営業日終値:111.158(日足・一目均衡表転換線、50週移動平均線)
下値1:111.000(大台、4/9安値、20日移動平均線、3/25~4/5の38.2%押し水準)
下値2:110.925(100/50日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、20月移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:110.804(4/1安値、日足・一目均衡表先行スパン上限/基準線、100/20週移動平均線)
下値4:110.729(月足・一目均衡表先行スパン上限、3/25~4/5の50%押し)
下値5:110.645(ピボット2ndサポート)
110.532(3/29安値、3/25~4/5の61.8%押し、-1σ)
110.308(ピボットローブレイクアウト
110.233(3/27安値)
110.015(3/28安値、-2σ、大台、月足・一目均衡表基準線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:37 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想