■要約
サイオス<3744>は、Linuxに代表されるオープンソースソフトウェア(以下、OSS)※1の開発と利用を軸に、OS、サーバー、アプリケーション、クラウドコンピューティングに関わるソフトウェア製品とサービスの提供を行っている。OSSの技術サポート体制では国内トップクラス。主力製品はシステム障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」※2や、MFP向けソフトウェア※3製品など。2015年4月に(株)キーポート・ソリューションズ(以下、KPS)、同年10月にProfit Cube(株)(以下、PCI)と、金融業界向けのシステム開発会社を相次いで子会社化し、事業領域を拡大している。
※1 ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し、使用・改良・再配布ができるソフトウェア。
※2 稼働中のサーバーとは別に同じ環境の予備サーバーを待機させ、万が一障害が発生した場合は自動的に予備サーバーに業務を引き継がせる役割を担うソフトウェア。
※3 「Quickスキャン」「Speedoc」等のMFP上で利用できる文書管理ソフトウェア。なお、MFPとは、プリンタ、スキャナー、コピー、ファックス等複数の機能を搭載した機器(複合機)を指す。
1. 2018年12月期の業績概要
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%増の12,799百万円、営業利益で同9.4%減の290百万円となった。売上高は企業のIT投資拡大を背景に、OSS関連商品・サポートサービスが順調に増加し、8期連続増収を達成した。一方、利益面では「SIOS Coati※」の新バージョンリリース関連費用や新規事業関連費用の増加に加えて、金融機関向けシステム開発案件の一部で開発遅延が発生したことなどが響いて、2期連続の減益となった。
※Amazon EC2上で企業が運用しているシステムを常時監視し、障害が発生した際に自動復旧させるソフトウェア。
2. 2019年12月期見通し
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.1%増の13,200百万円、営業利益で同31.2%減の200百万円となる見通し。「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品が伸びるほか、「SIOS Coati」や「Gluegentシリーズ※」などサブスクリプション型サービスの売上も積み上がる。「SIOS Coati」については米国での販売も新たに開始する予定。AIやクラウドサービス、Fintech領域での新サービス開発を中心に、研究開発費を前期の551百万円から720百万円まで積み増すことが減益要因となる。
※社内のワークフローをクラウド化する「Gluegent Flow」をはじめ、Googleカレンダーにチームメンバーの予定管理機能を付加した「Gluegent Apps グループスケジューラー」等、企業におけるクラウドを利用した業務効率化を支援するサービス。
3. 3ヶ年中期経営計画
同社は今後3年間を事業の基盤を固める期間と位置付けており、経営指標としてEBITDA(償却前営業利益)に加えて新たにROIC(投下資本利益率)※を採用、バランスシートの改善も考慮した本来的な収益力の向上を目指していく。2021年12月期の目標としては、EBITDAで550百万円(2018年12月期は375百万円)、ROICで15.0%(同8.7%)を掲げており、2020年12月期からは増益基調に転じる見通しだ。また、サブスクリプション型サービスの育成により、収益の安定性も高めていく方針となっている。
※ROIC=営業利益×(1-実効税率)÷(有利子負債+株主資本)
■Key Points
・AI、クラウドサービス、Fintech領域に注力し、先進的な新製品・サービスの開発を進める
・2019年12月期は先行投資期間と位置付け増収減益を見込む
・サブスクリプションビジネスモデルへの移行を進め、収益の安定性向上に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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サイオス<3744>は、Linuxに代表されるオープンソースソフトウェア(以下、OSS)※1の開発と利用を軸に、OS、サーバー、アプリケーション、クラウドコンピューティングに関わるソフトウェア製品とサービスの提供を行っている。OSSの技術サポート体制では国内トップクラス。主力製品はシステム障害時のシステムダウンを回避するソフトウェア「LifeKeeper」※2や、MFP向けソフトウェア※3製品など。2015年4月に(株)キーポート・ソリューションズ(以下、KPS)、同年10月にProfit Cube(株)(以下、PCI)と、金融業界向けのシステム開発会社を相次いで子会社化し、事業領域を拡大している。
※1 ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し、使用・改良・再配布ができるソフトウェア。
※2 稼働中のサーバーとは別に同じ環境の予備サーバーを待機させ、万が一障害が発生した場合は自動的に予備サーバーに業務を引き継がせる役割を担うソフトウェア。
※3 「Quickスキャン」「Speedoc」等のMFP上で利用できる文書管理ソフトウェア。なお、MFPとは、プリンタ、スキャナー、コピー、ファックス等複数の機能を搭載した機器(複合機)を指す。
1. 2018年12月期の業績概要
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%増の12,799百万円、営業利益で同9.4%減の290百万円となった。売上高は企業のIT投資拡大を背景に、OSS関連商品・サポートサービスが順調に増加し、8期連続増収を達成した。一方、利益面では「SIOS Coati※」の新バージョンリリース関連費用や新規事業関連費用の増加に加えて、金融機関向けシステム開発案件の一部で開発遅延が発生したことなどが響いて、2期連続の減益となった。
※Amazon EC2上で企業が運用しているシステムを常時監視し、障害が発生した際に自動復旧させるソフトウェア。
2. 2019年12月期見通し
2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比3.1%増の13,200百万円、営業利益で同31.2%減の200百万円となる見通し。「LifeKeeper」やMFP向けソフトウェア製品が伸びるほか、「SIOS Coati」や「Gluegentシリーズ※」などサブスクリプション型サービスの売上も積み上がる。「SIOS Coati」については米国での販売も新たに開始する予定。AIやクラウドサービス、Fintech領域での新サービス開発を中心に、研究開発費を前期の551百万円から720百万円まで積み増すことが減益要因となる。
※社内のワークフローをクラウド化する「Gluegent Flow」をはじめ、Googleカレンダーにチームメンバーの予定管理機能を付加した「Gluegent Apps グループスケジューラー」等、企業におけるクラウドを利用した業務効率化を支援するサービス。
3. 3ヶ年中期経営計画
同社は今後3年間を事業の基盤を固める期間と位置付けており、経営指標としてEBITDA(償却前営業利益)に加えて新たにROIC(投下資本利益率)※を採用、バランスシートの改善も考慮した本来的な収益力の向上を目指していく。2021年12月期の目標としては、EBITDAで550百万円(2018年12月期は375百万円)、ROICで15.0%(同8.7%)を掲げており、2020年12月期からは増益基調に転じる見通しだ。また、サブスクリプション型サービスの育成により、収益の安定性も高めていく方針となっている。
※ROIC=営業利益×(1-実効税率)÷(有利子負債+株主資本)
■Key Points
・AI、クラウドサービス、Fintech領域に注力し、先進的な新製品・サービスの開発を進める
・2019年12月期は先行投資期間と位置付け増収減益を見込む
・サブスクリプションビジネスモデルへの移行を進め、収益の安定性向上に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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