“懸念”は一服、“巻き戻し”が先行

著者:武市佳史
投稿:2019/03/29 10:29

◆“110円割れ”失敗

※ご注意:予想期間は3月30日と表示されていますが、本日(3月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「下方向(リスク回避⇒円買い)」にばかり目が向く時は、得てしてこんなもの…。

“110円割れ”を窺い続けたものの、割り込むことは叶いませんでした。
その後は“巻き戻し”が先行し、NYタイム序盤には“110.828円”へ持ち直す場面も見られています。

◆テクニカル的には“巻き戻し優勢”…?

“利回り低下の一服”が主な要因ですが、昨日指摘した“110.10-00円のドル買いオーダー”の存在も大きかったと見られます。
これで“リスク回避姿勢”は根強いものの、“110円割れ失敗”という格好になります。
テクニカル的には“巻き戻し優勢”になりやすく、“週末”ということも後押しすると見るのが自然です。

◆ただ現時点は“あくまで巻き戻し”…!?

もっとも現時点では“あくまで巻き戻しの一環”であるため、“111円回復は微妙”といわざるを得ないところがあるのも、また事実です。
昨日から行われている「米中通商協議(北京)」での“大きな進展は期待薄”、先行きが見通せない「英Brexit懸念」は“はっきりするまでリスク回避に振れやすい”…。

「債券・株式動向」を睨みつつ、「大きくは下がらない」を前提とするのは変わっておりませんが、本日も「110円台での揺れ動き、続く…」と見ておくのが無難かもしれませんね。
動き出すのは「来週(新年度入り後)」…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.450(200日移動平均線)
上値4:111.371(週足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:111.080(100/20日移動平均線、50週移動平均線、3/15~3/25の61.8%戻し)
上値2:110.955(3/21-22高値、日足・一目均衡表基準線、20週移動平均線、ピボット1sレジスタンス、大台)
上値1:110.828(3/28高値、100週移動平均線、20月移動平均線、3/5~3/25の50%戻し水準)
前営業日終値:110.693(日足・一目均衡表転換線)
下値1:110.542(50日移動平均線、-1σ、月足・一目均衡表先行スパン上限)
下値2:110.316(週足・一目均衡表転換線)
下値3:110.233(3/27安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stサポート)
下値4:110.015(3/28安値、大台、月足・一目均衡表基準線)
下値5:109.915(3/26安値、-2σ)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:47 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想