【これからの見通し】きょうからFOMC会合はじまる、主要通貨は模様眺め

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/03/19 15:43
【これからの見通し】きょうからFOMC会合はじまる、主要通貨は模様眺め

 きょうあすと米FOMC会合が開催される。市場では年内1回の利上げを見込んでいるが、時期的には年後半とみられている。足元ではインフレの伸びがやや鈍るとともに、成長ペースの鈍化が警戒されている。直近の米非農業部門雇用者数が大幅に伸び悩んだこともインパクトを与えている。ただ、その他主要国との比較では引き続き高成長を維持しており、為替市場では相対的にドルが買われやすい状況でもある。毎回がライブだと公言したパウエル議長の会見が引き続き注目されよう。発表は日本時間21日午前3時。

 東京市場でドル円は111円台前半、クロス円は小動きだが、上値が重い弱保ち合い状態となっている。日経平均や上海株などが小安く推移しており、きょうは調整ムードが漂っている。為替市場では、リスク回避とまではいかないが、FOMC前の調整が入っているもよう。

 豪中銀議事録要旨や住宅指標が発表された豪州だが、豪ドルは小動き。議事録では住宅市場の弱さが指摘されたほか、今後は雇用状況を注視するとしていた。ただ、政策金利を変更するような状況ではないとした。第4四半期の豪住宅価格指数は前期比、前年比ともに予想以上の低下となったが、豪ドル売りの反応は一時的なものにとどまった。この後の海外市場では原油相場にも留意したいところ。NY原油先物が60ドルに接近しているが、トランプ米大統領のけん制発言はどうか。

 英国では一連の雇用統計が発表される。11-1月期の英ILO失業率は4.0%で安定推移となる見込み。週平均賃金(3か月)は前年比+3.2%と前回の+3.4%から伸びが鈍化する見通しとなっている。また、ポンド相場にとってはEU離脱関連の話題が気になるところ。各報道によると英国もEUも双方が長期間の離脱延期を示唆しているもよう。下院議長からは大幅な変更が加えられなければ同じような離脱案の採決はできない、としており、採決実施は来週にずれ込むとの見方が広がっている。ポンド相場は程よい値動きを示しており、トレーディング通貨化している状況。ニュースを材料に短期筋が激しく売買するリスキーな相場展開となっている。

 米FOMCに先立って米経済指標には反応しにくいとみられるが、きょうは製造業新規受注(1月)、耐久財受注・確報値(1月)などが日本時間午後11時に発表される予定。あす早朝の米株式市場取引終了後にはフェデックスの決算が発表される。トランプ米大統領は、ブラジル大統領と会談を行う予定。欧州では、ドイツZEW景況感指数(3月)が発表される。事前予想は-11と前回の-13.4からは改善する見込み。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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