明確な上抜けは「少し日柄が必要」…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/02/05 10:32

◆“110円回復”に成功 ― ただし終盤押し戻される

※ご注意:予想期間は2月6日と表示されていますが、本日(2月5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「巻き戻しの一環」と見られただけに、昨日は「お釣り(上値余地)」が残っていました。
“109.70-110.00円”に展開するドル売りオーダーをこなすと、NYタイム序盤には“110.158円”まで上値を伸ばしています。

一方で“110.00円設定のオプション(20億ドル超)”が行使期限を迎えることもあり、次第に“収斂圧力”がかかっていきました。
2ヶ月連続の減少となった米製造業新規受注(-0.6%)も重石となり、109円台へと押し戻されて、昨日の取引を終えています。

◆「にわか上値期待」が台頭していないことは吉報だが…?

“FOMC発表前(109.50円)”を明確に突破、さらに“110円の大台”をも上回ったことで、テクニカル的には「上値が軽くなった」という意識が働きやすくなっているのは事実です。
しかし国内実需筋にとっては「(110円超)とりあえず手当てしておきたい」水準と見られるだけに、再び乗せる場面が見られたとしても、「定着するかは甚だ疑問」といわざるを得ないところがあります。
特に昨日の中国(~8日)に続き、本日からはシンガポール(~6日)/香港(~7日)も休場となります。
さらに流動性が低下すると見られる中、「些細な要因で揺れ動く」は増すものの、「方向感が定まるか」に関しては…?

「にわか上値期待」がそれほど台頭していないことは吉報であり、「戻り売りではなく、押し目買い」との見方も変わりませんが、「(ここからの上値追いは)おいそれとはいかない」も継続と見たいところです。
明確に乗せ切るには、もう少し日柄が必要か…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.574(月足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:110.374(50週移動平均線)
上値3:110.158(2/4高値、ピボット1sレジスタンス)
上値2:110.084(週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値1:109.996(1/23高値、1/25高値、大台)
前営業日終値:109.893(週足・一目均衡表基準線)
下値1:109.683(週足・一目均衡表先行スパン下限)
下値2:109.524(1/31~2/4の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値3:109.432(2/4安値、週足・一目均衡表転換線)
下値4:109.328(1/31~2/4の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
下値5:109.132(1/31~2/4の61.8%押し、20日移動平均線、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:10 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想