今週の日経225相場予想 短期は買いも中長期は売りか(2/4週)

著者:山口哲也
投稿:2019/02/04 12:11

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の日経225(TFX)は、20,000円半ばから21,000円の間で小動き。週初20,866円で寄り付いた日経225は、キャタピラーやエヌビディアの米企業決算による米株式の下落を受けて週前半こそ弱含みで推移したものの、アップルの決算による株高や注目されていたFOMCがハト派的な内容だったことで、週後半にかけては20,500円から21,000円の間で小動きとなりました。終値は20,890円。

注目されていた雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比30.4万人増(予想:同16.5万人増)、失業率が4.0%(予想:3.9%)、平均時給が前月比で0.1%増(予想:同0.3%)、前年比で3.2%増(予想:同3.2%)と特に非農業部門雇用者数がポジティブサプライズとして受け止められました。
その後、発表されたISM製造業景気指数は56.6(予想:54.0)と前月の54.1(これも上方修正され54.3)を上回る結果となりました。

今週の主要経済指標は以下のとおりですが、トランプ大統領の一般教書演説が2月5日(日本時間6日11時)にあり、国境の壁について非常事態宣言を発動するかどうかに注目です。それ以外では、日本時間7日9時にパウエルFRB議長の発言があるほか、日米の企業決算も相次ぐため、これらの結果にも注意が必要です。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
12月末の安値から上昇して推移してきたものの、1月中旬より上値が重くなってきています。それぞれの移動平均線は下向きで推移しており、上から順に52週、26週、13週移動平均線という順番になっているため、中長期的には下降トレンドにあると見ており、先週もお伝えのとおり、あくまでも下降トレンドの中での反発局面として捉えて、ストキャスティクスが下降基調になるタイミングで戻り売りを考えたいところです。
なお、目先のレジスタンスは21,000円ですが、これを上回る場合には中長期の移動平均線が位置する22,000円前後まで上昇する可能性もあるため、売りを考える場合でも余裕をもったポジションサイズが重要です。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX)の日足チャートです。
日足チャートは転換線に支持されながら上昇傾向にあり、短期的には上昇トレンドと考えられ、価格が一目の雲を、また、遅行スパンが基準線を上回るようであれば、先週お伝えのとおり、三役好転となるため一段の上昇も考えられ、その場合は22,000円が目標価格の候補になります。

一方で価格が下向きの移動平均線の下に位置していることから中長期は下降トレンドと考えられ、21,000円を終値ベースで越えられず、ストキャスティクスが下向きとなるようであれば、斥候的な戻り売りを考えたいところです。

このコメントは弊社テクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想