ヘリオステクノHD Research Memo(11):19年3月期は世界初の超広帯域LEDの開発を発表

配信元:フィスコ
投稿:2019/01/28 16:31
■中長期の成長戦略

4. フェニックス電機の進捗状況
フェニックス電機の成長戦略は新製品の開発とその拡販に尽きる。これまで、MLSの光源ランプの代替を目指した紫外線LEDランプの開発や、赤外線LEDランプを使った新事業・新製品の開発などが具体例として紹介されていたが、2019年3月期第2四半期において、超広帯域LED発光素子を世界で初めて開発したことが発表された。

この超広帯域LED素子は、フェニックス電機が国立研究開発法人産業技術総合研究所及び(株)サイアロンと共同開発したもので、近紫外線から近赤外線までの極めて広い波長の光を発することが特徴だ。現状では複数のLED素子を組み合わせて同様の効果を実現しているものがあるが、ヘリオステクノホールディング<6927>が開発した素子は単独でそれを実現できる点が大きな特徴だ。

超広帯域LED素子が収益に貢献するにはまだしばらく時間を要するとみられる。同社はもともとLED素子を製造するメーカーではないため、この素子をパーツで販売するのではなく、システム化(素子とソフトウエアの組み合わせ)して販売することや、装置、モジュールとして販売することを目指している。用途としてはヘルスケア領域も含めた各種の診断・分析装置などが典型的なケースと考えられる。今後の展開を見守りたい。

紫外線LEDランプの開発も継続している。目指す用途はMLSの光源ランプだ。これまでに試作品は完成させており、現在は光量アップに取り組んでいる。液晶パネルの製造ラインの投資は間もなくピークアウトするとみられるが、同社は露光装置の国内トップメーカーに独占的に光源を納入していることもあり、過去からの累積納入台数が大きく積み上がっている。それら既納入装置の更新需要が狙う市場だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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