売買代金が5ヶ月ぶりの低水準となるなか

著者:斉藤紀彦
投稿:2019/01/22 19:52

日経平均は3営業日ぶりに反落しました

日経平均は-96円安の20622円と3営業日ぶりに反落しました。

朝方は、米国株市場が休場で手掛かり材料に乏しいなか、円安に振れたことが支えとなって高く始まると、寄り付き直後には高値で+86円高の20805円まで上昇しました。

買い一巡後は利益確定売りで下落転換すると米国株時間外取引の弱含みが重しとなり、持ち直す場面もありましたが上値は重く前引けにかけて小安くなりました。

後場に入ると、昼休みの時間帯に米国株時間外取引や上海株が一段安となったこと、円高ドル安となった流れを嫌気して下落幅を広げ、安値では-161円安の20558円まで下げました。

国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長率予測を下方修正したことから、電気機器や機械など年初から上昇基調だった景気敏感株を中心に利益確定売りが優勢となりました。

また発表が本格化する主要企業の決算を見極めたいとして売買を見送る投資家も多く、売買代金は18年8月20日以来5ヶ月ぶりの低水準でした。

東証1部の売買代金は1兆7310億円、騰落銘柄数は値上がり573銘柄、値下がり1466銘柄、日経225採用銘柄では値上がり59銘柄、値下がり161銘柄でした。

日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに続落しています。

日経平均のテクニカル指標は、まだ総じて高値圏を示唆する状態です。

5日連続で閑散相場となるなか、きょうは下降中の25日線(今日現在:20514円)や上昇中の5日線(今日現在:20570円)が相場の下支えとなりました。

一部報道で米側がカナダに対し、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部の身柄引き渡しを正式に求めたと伝わったことから、米中の対立が改めて意識されて上海株などアジア各国・地域の株価指数が総じて下落したことも投資家心理を冷やしました。

テクニカル指標が高止まりするなか低調な売買が続いていますので、やはり目先は利益確定売りを進めるのが無難だと思います。

あすまでは日銀金融政策決定会合が開催されていますが、トランプ大統領が対中関税の撤廃を検討しているとの一部報道を否定したこともあり、米中貿易交渉の進展に対する期待が後退していることにも注意が必要です。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想