■中期経営計画
1. 今後の戦略の考え方
エンタテイメント小売業界において、インターネット通販やコンテンツ配信サービスなど、消費者が商品やサービスを得るチャネルの多様化により、業種業態を超えた企業間競争が激化している。今後、経営環境はより一層厳しくなると予測されていることから、ワンダーコーポレーション<3344>は以下のような戦略を駆使し、こうした経営環境に対処していく考えである。
(1) RIZAPグループとコラボレーションするなかで、「エンタテイメント」を広く定義し直し、地域の顧客の生活の質を向上させるサービスや商品を提供する。
(2) WonderREX事業を成長エンジンと位置付け、WonderGOOからの業態転換や新規出店を積極的に推進、関東No.1チェーンストアを目指す。
(3) WonderGOO事業や新星堂事業において、CD・DVDなどパッケージ商品の売場面積や商品在庫を効率化する一方、新たな商品やサービスを展開する。
(4) モノ消費からコト消費への変化を捉え、顧客参加型のビジネスを拡大する。主として新星堂のイベント事業を伸ばす。
(5) ワンダーコーポレーショングループの企業価値を高めるため、地域のニーズやウォンツに適合する新規事業の開拓を積極的に推進する。
(6) 将来的に収益が見込めない店舗や事業、ブランドについては、業態転換などの改革を進める。
業態進化の必要性
2. 中期成長イメージ
弊社では特別損失を計上し、構造改革を一気に進めることは大歓迎である。しかし、もちろん現状のまま業態進化がなければ、エンタテイメント市場において一般のリアル店舗のシェアが縮小するのと同様に、同社の業容も小さくならざるを得ないと考える。したがって、リアル店舗の強みを生かして集客を回復すること、インターネットに流れた顧客に再アプローチすることが、中期的観点から同社のなすべきことと思われる。そういう意味で、RIZAPグループに入ったことは、コラボレーションするに値する魅力的な消費関連の子会社に、同社が多く出会えるという点で非常に幸運だったと言えるだろう。ただし、RIZAPグループに入ったことによりすべてが解決するわけでない。RIZAPグループの子会社とのコラボレーションを進め、シナジーを醸成するには、同社の気持ちだけでは限界があるため、子会社の上位レイヤーにおいて、子会社の内外環境をよく知るリーダーがコラボレーションに積極的に関与する必要があるだろう。そこは、RIZAPグループのリーダーシップに期待したい。
一方、CDやDVDといったパッケージ商材では、もはや集客できない。したがって、エリアによってイベントやテナント導入など、従来と違った切り口で集客しようという同社の考え方は間違いではないと考える。しかし、インターネット通販やコンテンツ配信サービスに流れた顧客に再アプローチするには、自らそうした場に出向く必要もあるだろう。既に他社サイトでのインターネット通販は行っているが、より自社店舗と連動するよう自社サイトの構築が重要だろう。また、リアル店舗のパッケージ商品でも、同社にしか置いてないものでニーズが強ければ集客のマグネットになることは可能である。そのためには、ヒットするプライベートブランドの開発に向けてアイデアを深掘りする「企画力」が必要となるだろう。しかしこれは、同社と言うより、業界全体の問題かもしれない。
こうした考えは中期成長をイメージする際の前提の1つになるが、同社自身がすでに遂行していることも多い。あとは、スピード感をもって、リアル店舗の強みを生かすこと、インターネットに流れた顧客に再アプローチすることを、同時並行的にリンクしながら進めることができれば、従来のリアル店舗とは異なった、インターネット通販やコンテンツ配信サービスでは達成できない集客が可能となるだろう。業態進化とともに、新たな中期成長のプロセスが見えてくる可能性は小さくないと考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
1. 今後の戦略の考え方
エンタテイメント小売業界において、インターネット通販やコンテンツ配信サービスなど、消費者が商品やサービスを得るチャネルの多様化により、業種業態を超えた企業間競争が激化している。今後、経営環境はより一層厳しくなると予測されていることから、ワンダーコーポレーション<3344>は以下のような戦略を駆使し、こうした経営環境に対処していく考えである。
(1) RIZAPグループとコラボレーションするなかで、「エンタテイメント」を広く定義し直し、地域の顧客の生活の質を向上させるサービスや商品を提供する。
(2) WonderREX事業を成長エンジンと位置付け、WonderGOOからの業態転換や新規出店を積極的に推進、関東No.1チェーンストアを目指す。
(3) WonderGOO事業や新星堂事業において、CD・DVDなどパッケージ商品の売場面積や商品在庫を効率化する一方、新たな商品やサービスを展開する。
(4) モノ消費からコト消費への変化を捉え、顧客参加型のビジネスを拡大する。主として新星堂のイベント事業を伸ばす。
(5) ワンダーコーポレーショングループの企業価値を高めるため、地域のニーズやウォンツに適合する新規事業の開拓を積極的に推進する。
(6) 将来的に収益が見込めない店舗や事業、ブランドについては、業態転換などの改革を進める。
業態進化の必要性
2. 中期成長イメージ
弊社では特別損失を計上し、構造改革を一気に進めることは大歓迎である。しかし、もちろん現状のまま業態進化がなければ、エンタテイメント市場において一般のリアル店舗のシェアが縮小するのと同様に、同社の業容も小さくならざるを得ないと考える。したがって、リアル店舗の強みを生かして集客を回復すること、インターネットに流れた顧客に再アプローチすることが、中期的観点から同社のなすべきことと思われる。そういう意味で、RIZAPグループに入ったことは、コラボレーションするに値する魅力的な消費関連の子会社に、同社が多く出会えるという点で非常に幸運だったと言えるだろう。ただし、RIZAPグループに入ったことによりすべてが解決するわけでない。RIZAPグループの子会社とのコラボレーションを進め、シナジーを醸成するには、同社の気持ちだけでは限界があるため、子会社の上位レイヤーにおいて、子会社の内外環境をよく知るリーダーがコラボレーションに積極的に関与する必要があるだろう。そこは、RIZAPグループのリーダーシップに期待したい。
一方、CDやDVDといったパッケージ商材では、もはや集客できない。したがって、エリアによってイベントやテナント導入など、従来と違った切り口で集客しようという同社の考え方は間違いではないと考える。しかし、インターネット通販やコンテンツ配信サービスに流れた顧客に再アプローチするには、自らそうした場に出向く必要もあるだろう。既に他社サイトでのインターネット通販は行っているが、より自社店舗と連動するよう自社サイトの構築が重要だろう。また、リアル店舗のパッケージ商品でも、同社にしか置いてないものでニーズが強ければ集客のマグネットになることは可能である。そのためには、ヒットするプライベートブランドの開発に向けてアイデアを深掘りする「企画力」が必要となるだろう。しかしこれは、同社と言うより、業界全体の問題かもしれない。
こうした考えは中期成長をイメージする際の前提の1つになるが、同社自身がすでに遂行していることも多い。あとは、スピード感をもって、リアル店舗の強みを生かすこと、インターネットに流れた顧客に再アプローチすることを、同時並行的にリンクしながら進めることができれば、従来のリアル店舗とは異なった、インターネット通販やコンテンツ配信サービスでは達成できない集客が可能となるだろう。業態進化とともに、新たな中期成長のプロセスが見えてくる可能性は小さくないと考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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