■事業の概要
4. フード&パッケージング
フード&パッケージングはコーティング・機能材、機能性フィルム・シート、及び農業化学品(農薬)の3つのサブセグメントに分かれている。コーティング・機能材はコーティング材、接着剤、シーラント材、エラストマーなどで、自動車や食品パッケージ、建設用資材など様々な分野で、原料や生産材として幅広く利用されている。
機能性フィルム・シートは、三井化学<4183>の有する高機能のポリオレフィン系合成樹脂の技術と、それをフィルムやシートに加工する技術、及び接着剤の技術とを組み合わせ、包装用と産業用の2つの市場に製品を供給している。包装用についてはレトルト食品やシャンプーや液体洗剤の詰め替え用パックの容器などで目にすることができる。産業用では半導体・電子部品の製造工程用フィルムなどが典型的な製品だ。
農業化学品は農薬が中心で殺虫剤・殺菌剤・除草剤・生活環境薬剤を展開している。現状は国内市場向けが3分の2となっているが、今後上市予定の新剤では海外市場の開拓も積極的に行っていく方針で、現地ニーズに合致した製品の市場投入に向けて、拠点整備や現地パートナー企業との提携などを継続的に進めている。
売上高の地域別内訳は日本が約7割を占めている点が特徴的だ。農薬の国内販売比率が高いことなどが要因だ。しかし今後は、アジアを中心に海外比率が高まる見通しだ。機能性フィルム・シートでは包装用、産業用ともにアジア地域の需要拡大を成長エンジンと位置付けていることや、農薬の新規薬剤では海外の大手農薬メーカーと提携して世界展開していく方針であることが背景にある。
高付加価値製品シフトで安定市場である国内で優先的に販売し、石油化学コンビナートの安定的高稼働を実現
5. 基盤素材事業
基盤素材事業はいわゆる石油化学コンビナートで生産される基礎素材としての石化製品・化学品を製造販売する事業だ。石油化学プロセスの各段階で他社に原料として供給したり、自社で製品にまで加工してから販売したりと、様々な形で販売されて売上げが立つが、同社は4つのサブセグメントで管理している。
基板素材事業では、ナフサを原料として投入し、ナフサクラッキング・プロセスを経て、エチレン、プロピレン、B-B留分などを生産する。同社はこの段階で中間品であるエチレンやプロピレン等の一部を製品として販売しており、それが石化原料というサブセグメントとなる。残りのエチレンやプロピレンは自社グループ企業に送られ、そこで完成品であるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)という合成樹脂(プラスチック)が生産・販売される。PEとPPを総称してポリオレフィンと言う。同社のポリオレフィンは優れた触媒技術に基づく高付加価値グレードの構成比が高い点に特長がある。川下のプロセスでは、ポリオレフィン以外にも、フェノール等の数多くの誘導品が生産・販売され、基礎化学品セグメントを構成している。また同社が強みを持つポリウレタンも独立したサブセグメントとなっている。
売上高の地域別内訳は現状では日本が80%近くを占めている。基盤素材事業では“地産地消”によって設備稼働率を高く維持することを目指している。同社は中国やシンガポール、タイなどアジア各地に生産拠点を擁しており、それぞれの地域で“地産地消”を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<HN>
4. フード&パッケージング
フード&パッケージングはコーティング・機能材、機能性フィルム・シート、及び農業化学品(農薬)の3つのサブセグメントに分かれている。コーティング・機能材はコーティング材、接着剤、シーラント材、エラストマーなどで、自動車や食品パッケージ、建設用資材など様々な分野で、原料や生産材として幅広く利用されている。
機能性フィルム・シートは、三井化学<4183>の有する高機能のポリオレフィン系合成樹脂の技術と、それをフィルムやシートに加工する技術、及び接着剤の技術とを組み合わせ、包装用と産業用の2つの市場に製品を供給している。包装用についてはレトルト食品やシャンプーや液体洗剤の詰め替え用パックの容器などで目にすることができる。産業用では半導体・電子部品の製造工程用フィルムなどが典型的な製品だ。
農業化学品は農薬が中心で殺虫剤・殺菌剤・除草剤・生活環境薬剤を展開している。現状は国内市場向けが3分の2となっているが、今後上市予定の新剤では海外市場の開拓も積極的に行っていく方針で、現地ニーズに合致した製品の市場投入に向けて、拠点整備や現地パートナー企業との提携などを継続的に進めている。
売上高の地域別内訳は日本が約7割を占めている点が特徴的だ。農薬の国内販売比率が高いことなどが要因だ。しかし今後は、アジアを中心に海外比率が高まる見通しだ。機能性フィルム・シートでは包装用、産業用ともにアジア地域の需要拡大を成長エンジンと位置付けていることや、農薬の新規薬剤では海外の大手農薬メーカーと提携して世界展開していく方針であることが背景にある。
高付加価値製品シフトで安定市場である国内で優先的に販売し、石油化学コンビナートの安定的高稼働を実現
5. 基盤素材事業
基盤素材事業はいわゆる石油化学コンビナートで生産される基礎素材としての石化製品・化学品を製造販売する事業だ。石油化学プロセスの各段階で他社に原料として供給したり、自社で製品にまで加工してから販売したりと、様々な形で販売されて売上げが立つが、同社は4つのサブセグメントで管理している。
基板素材事業では、ナフサを原料として投入し、ナフサクラッキング・プロセスを経て、エチレン、プロピレン、B-B留分などを生産する。同社はこの段階で中間品であるエチレンやプロピレン等の一部を製品として販売しており、それが石化原料というサブセグメントとなる。残りのエチレンやプロピレンは自社グループ企業に送られ、そこで完成品であるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)という合成樹脂(プラスチック)が生産・販売される。PEとPPを総称してポリオレフィンと言う。同社のポリオレフィンは優れた触媒技術に基づく高付加価値グレードの構成比が高い点に特長がある。川下のプロセスでは、ポリオレフィン以外にも、フェノール等の数多くの誘導品が生産・販売され、基礎化学品セグメントを構成している。また同社が強みを持つポリウレタンも独立したサブセグメントとなっている。
売上高の地域別内訳は現状では日本が80%近くを占めている。基盤素材事業では“地産地消”によって設備稼働率を高く維持することを目指している。同社は中国やシンガポール、タイなどアジア各地に生産拠点を擁しており、それぞれの地域で“地産地消”を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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