最後まで荒れるSQ週らしい値動きでしたが

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/12/14 17:14

時価近辺は積極的に売買する水準ではないと思います

日経平均は+441円安の21374円と3日ぶりに大幅反落しました。

朝方は、前日まで大幅上昇していた反動や週末要因などから利益確定売りで安く始まると、その後は持ち直す場面もありましたが、戻りが限定的だったことから再び売られました。

米国株時間外取引が下げ幅を広げるとともに下げ幅を拡大し、安値では-462円安の21353円まで下落しました。

中国国家統計局が発表した11月の小売売上高や工業生産高が市場予想を下回り、中国の景気減速への警戒感が再び高まったことも重しとなるなか、日銀短観で先行きDIが悪化したことへも懸念が広がり、大引けにかけて安値圏で推移しました。

きょう算出の日経平均先物・オプション12月限のSQ(特別清算指数)値は21618円88銭でした。

東証1部の売買代金は3兆1637億円、騰落銘柄数は値上がり252銘柄、値下がり1826銘柄、日経225採用銘柄では値上がり15銘柄、値下がり206銘柄でした。

裁定解消売りの影響でソフトバンクが約46円、東京エレクが約29円、ファナックが約21円など、日経平均を押し下げています。

利益確定売りで、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに3日ぶりに反落しました。

日経平均のテクニカル指標は、底値圏を示唆するものが無くなりました。

最後まで荒れるSQ週らしい値動きが大きな週になりましたが、SQに向けて上がっていただけにその反動から売りが出やすくなり、米国経済指標の発表や来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、短期筋の利益確定売りが一気に出た感じでした。

株価チャート的にもきのう25日線(今日現在:21825円)に到達していましたので、達成感が広がりやすい状況ではありました。

目先はテクニカル指標が示す通り中立圏にあると思いますので、大きく下がれば買いだと思いますが、再度上値を試すところがあれば売りたいくらいのイメージで、時価近辺は積極的に売買する水準ではないと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想