米中首脳会談を前にした買い戻し中心で

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/11/30 19:59

日経平均は6連騰となりましたが

日経平均は+88円高の22351円と6日続伸しました。

朝方は、小動きで始まると前場中は前日終値近辺でもみ合う場面が続きました。

円安ドル高基調や市場予想を上回った10月鉱工業生産指数が支えとなりましたが、一方で米国株安や市場予想を下回った中国11月製造業購買担当者景気指数(PMI)が重しとなりました。  

後場は、週末の米中首脳会談を前にして、通商交渉がある程度は進展すると期待した短期筋の投資家による買い戻しが相場の支えとなり、高値では+99円高の22362円まで上昇して大引けにかけても高値圏で推移しました。

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)指数の定期銘柄見直しによる売買の影響で、東証1部の売買代金は3兆6637億円と10月30日以来の高水準となり、騰落銘柄数は値上がり1311銘柄、値下がり737銘柄、日経225採用銘柄では値上がり128銘柄、値下がり93銘柄でした。

日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに小幅に6日続伸しています。

日経平均のテクニカル指標は、高値圏を示唆するものが徐々に増えています。

日経平均は9月の8連騰以来となる6連騰で終わりましたが、中身は米中首脳会談を前に来週の上昇を警戒した目先筋の買い戻しが主体だったと考えられます。

また大引けで反映されるMSCIの銘柄入れ替えに絡んだ先回り買いも下支えになりました。

テクニカル指標も徐々に買われ過ぎの水準に入ってきていますし、来週は目先の売り場探しとなるイメージでいいと思います。

米中首脳会談が劇的な結果になれば75日線(今日現在:22565円)や直近の高値である11月8日の高値22583円を上抜く可能性もありますが、大きな進展がなかった場合にはこれらが上値を圧迫すると考えられます。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想