ドル円一時113円台、EUが伊予算拒否もユーロは値を保つ=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/21 21:40
ドル円一時113円台、EUが伊予算拒否もユーロは値を保つ=ロンドン為替概況

 21日のロンドン市場は、円売りが優勢。米株先物や欧州株が反発、NY原油先物も下げ渋りとなっており、リスク動向が改善していることが背景。この日の注目はイタリア予算をめぐるEUの判断だったが、EUは事前の想定通りこれを拒否した。今後段階的な措置が取られるという。ただ、イタリア債は買われており、ユーロ相場も神経質ながら高値を伸ばす場面もあり、値を保っている。ひとまず消化されたところ。また、一部報道でFRBが来年春には段階的な利上げの休止について議論を始めるとしており、ドル売りに反応する場面もあった。一連の報道に米感謝祭を控えたNY市場がどのように反応するのかが注目される。

 ドル円は113円ちょうど近辺での取引。112.80-90レベルでの揉み合いを上抜けて、113円台に乗せた。欧州株や米株先物が反発する動きを支えに113.15レベルまで高値を伸ばした。その後はや売り戻しが入っているが、113円ちょうど近辺に高止まりしている。

 ユーロドルは1.14ちょうど近辺での取引。この日はEUがイタリア予算に対する判断を示すことからユーロ相場は神経質な動きをみせている。伊紙が、サルビーニ伊副首相が伊予算の修正にオープン、と報じたことでユーロ買いが先行。イタリア債が買われた。その後、これを否定する報道もあり、ユーロは売買が交錯。EUはイタリア2019年予算を拒否すると発表。しかし、イタリア債の買戻しは継続し、ユーロは買いに反応。高値を1.1418レベルに伸ばした。ユーロドルが買われる動きには、一部報道でFRBが来年春には段階的な利上げの休止について議論を始める、としたことに反応した面もあったもよう。ユーロ円は序盤から堅調。128円台半ばから一時129.08レベルまで買われた。その後はドル円の上昇一服とともに128円台後半で取引されている。

 ポンドドルは1.28ちょうど近辺での取引。この日はポンド独自の材料は目立たなかった。ユーロ相場をにらんで方向感に欠ける上下動となっている。ポンドドルは1.2820レベルまで買われたあと、1.2773レベルまで下押しされたが、再び1.28台を回復する動き。ポンド円は144円台半ばで神経質に振幅したあと、足元では144.81レベルまで高値を伸ばしている。ロンドン市場では株高が円売り圧力につながっている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)