ラーブ英EU離脱相辞任でポンド急落、リスク警戒ムード広がる=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/15 21:12
ラーブ英EU離脱相辞任でポンド急落、リスク警戒ムード広がる=ロンドン為替概況

 15日のロンドン市場は、ポンドが大幅下落。ラーブ英EU離脱担当相の辞任が市場にショックを与えた。ロンドン朝方は米中貿易摩擦の改善期待などで中国株が買われたことで、ややドル安・円安の動きがみられた。しかし、昨日の英閣議でのEU離脱案承認をめぐり、各方面からの不満が噴出している。なかでも身内であるラーブ英EU離脱担当相など英保守党閣僚らの辞任でポンドがショック安となった。この動きがユーロなどその他主要通貨にも波及、欧州株が下げに転じるなどリスク警戒ムードが広がっている。ポンドドルやポンド円が約300ポイントの急落となるなかで、ドル円は113円台前半、ユーロ円127円台後半、ユーロドル1.13台割れまで下押しされた。ただ、NY市場を控えて取引中盤にはポンド一段安は一服し、ドル円やクロス円も下げ渋っている。

 ドル円は113円台前半での取引。ロンドン朝方には113.50台と小高かったが、ポンド円の急落や欧州株の下落、米債利回り低下などを受けて、113.30レベルまで安値を広げた。ただ、総じて値動きは限定的。ポンドの急落を横目に模様眺めとなっている。

 ユーロドルは1.13台前半での取引。ロンドン朝方に1.1351レベルまで買われた。ポンド売りが強まり、当初はユーロ買いポンド売りのフローがユーロを押し上げる面があった。しかし、ポンドドルの大幅下落がドル買い圧力につながり、ユーロドルは1.1271レベルまで連れ安となった。足元では1.13台前半まで下げ渋っている。ユーロ円は128.85レベルを高値に一時127.80レベルまで反落した。足元では128円台前半での取引。英EU離脱担当相の辞任報道で欧州株が下げに転じており、リスク回避的な円買いの動きがみられた。

 ポンドドルは1.28ちょうど近辺での取引。ロンドン朝方に1.3030レベルまで買われる場面があったが、相次ぐ英閣僚辞任報道や議会での英EU離脱案への反発でポンド相場は急落。ポンドドルはラーブ英EU離脱相の辞任報道で下げが加速し、一時1.2751レベルまで安値を広げた。その他4閣僚の辞任が報じられている。また、英与党EU離脱強硬派からはメイ首相に不信任の動きが報じられている。野党労働党は、前日の閣議承認案を「生焼け」として撤回を求めている。合意なき離脱への道には再び暗雲が立ち込めている。ポンド円は147円台後半から一時144.57レベルまで急落。その後は、ポンドドルとともに下げ一服も、戻りは限定的。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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