英閣議巡ってポンド乱高下 リスク回避の円高も=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/15 06:09
 NY時間の終盤になって欧州通貨の買いが優勢となっている。きょうのNY為替市場は英EU離脱交渉に不透明が増し、円高の動きが強まった。きょうは英EU離脱協定に関してメイ政権が閣議を行ったが、予定時間になっても閣議が終了しなかったことから市場は不安感を強めた。

 英BBCの記者が、与党保守党の議員が明日不信任案の投票を要請する可能性があるとツイートしたこともありポンドが一時急落。しかし、その後に閣議が終了しメイ首相が閣僚の支持を得たと伝わると一気にポンドは買い戻されている。

 英政治リスクの高まりに米株も敏感に反応する格好で下落し、市場全体にリスク回避の雰囲気が強まった。米国債利回りも下げる中、ポンド円の下げが先導する格好で円高の動きが強まりドル円も見切売りを強めている。

 また、米株の下げについては北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について、トランプ大統領が交渉をやり直さない限り、議会通過は絶望的な状況になっていることが嫌気されている模様。

 先日の中間選挙で下院の過半数を獲得した民主党が拒否の意向を強めている模様。法案の変更だけでなく、実行面での強化が必要としている。早速、ねじれ議会による圧力がトランプ政権へ圧し掛かっている。

 序盤のドル円は114円手前で膠着した値動きを続けていたが、米株が下げ幅を広げ、ポンド円も下落する中、見切り売りが加速し113.30円近辺まで一時下落した。

 一方、ポンド円は序盤は148円台を回復していたが、146.35円付近まで一気に下落。ただ、メイ首相の提案が閣議で了承されると、今度は一気に148円台まで戻す展開も見られた。

 ユーロドルはポンドに連れ安する場面も見られたものの1.13ドル台に上昇している。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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