株安一服で円売り先行も伸びは限定的=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/13 21:21
 13日のロンドン市場は、株安の一服で円売りが先行した。前日の米株がIT株主導で大幅安となったが、米中貿易戦争の改善期待で中国株が買われるとリスク警戒感が後退した。その流れを受けて、ロンドン市場では欧州株と米株先物が堅調に取引されている。ただ、取引中盤にはやや買い一服となっている。英国やイタリアがEUの要求通りには動く気配がなく、今後の火種は残っている状況。また、前日のトランプ発言をきっかけに原油先物が一段安となっている。ドル円は114円台に乗せたが、伸びは限定的。ユーロ円は128円台前半、ポンド円は147円台前半での高止まり。ユーロドルやポンドドルは前日の下げを戻す方向に動いている。

 ドル円は114円ちょうど近辺での取引。ロンドン序盤に欧州株高の動きとともに114円台に乗せた。ただ、114.15レベルまで高値を更新したあとは、再び114円近辺へと押し戻されている。東京市場よりは円安水準を維持しており、リスク警戒感は総じて後退している。

 ユーロドルは1.12台半ばでの取引。ロンドン市場では方向感に欠ける上下動。高値を1.1257レベルに伸ばしたあとは1.1220近辺まで反落。その後は再び買いが優勢も高値更新には至っていない。ユーロ円は128円台前半での取引が続いている。序盤に128.41レベルの高値をつけたあとは128円台を維持しての揉み合い。東京市場よりは円安・ユーロ高水準となっている。欧州株高がリスク警戒感を後退させている。ただ、きょうはイタリア政府がEUに修正予算案を提出する期限とされているが、同政府はこれを拒否する姿勢を崩していない。イタリア株は一時マイナス圏に軟化。イタリア債も売られるなど、不安定な動きがみられた。

 ポンドドルは1.29台前半での取引。ユーロドルとともに1.28台後半を中心とした振幅となるなかで、次第に買いが優勢になっている。高値を1.2929レベルに更新。ポンド円は146円台半ばがサポートされており、振幅をみせながらも高値を147.44レベルに伸ばしている。EU離脱交渉について特段の進展はみられていないが、英政府高官からは48時間で合意する可能性はあるとの楽観的な発言があった。ただ、市場には希望的観測と受け止められており、11月サミット開催の可能性は遠のいているとの見方。この日発表された英ILO雇用統計では失業率は0.1%ポイント悪化したものの、賃金上昇が加速しており、ポンド買いにつながった面も。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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