市場は米中間選挙を注視=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2018/11/07 08:45

市場は米中間選挙を注視

昨日のドル/円は、一時113.50円前後まで上昇するなど堅調に推移。ただ、米中間選挙の投票日とあって様子見ムードも根強く、値動きは控えめであった。本日アジアタイムには、その米中間選挙の開票速報が続々と伝わる見込みとなっている。各種世論調査からは、上院を共和党が維持する一方、下院を民主党が奪還する可能性が高そうだ。

予想通りなら、ねじれ議会となるが、「織り込み済み」と見られるだけに、株安や円高(ドル安)などのネガティブな市場反応は限られよう。もっとも、選挙の結果は蓋を開けるまでわからない。上院を共和党、下院を民主党という「本命予想」を外した場合の市場の反応もシミュレーションしておくべきだろう。「対抗予想」となるのは上下両院ともに共和党が過半数を維持した場合だが、この場合は大型減税第2弾の可能性が高まる事などから米国株にポジティブに作用するだろう。米長期金利も上昇する公算が大きく、ドル/円は比較的大きく上昇しそうだ。勢い次第では年初来高値(114.55円前後)を更新する可能性もあるだろう。「大穴予想」は、上院を民主党が奪回し、下院を共和党が維持した場合や、上下両院ともに民主党が制した場合となる。ドルや米国株にとっては、文字通りの「ネガティブサプライズ」になるだろう。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想