ドル円はロンドンフィキシングにかけて戻り売り=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/01 03:46
 きょうのNY為替市場でドル円は戻り売りが優勢となっている。序盤は米株式市場の買い戻しが続いていることからドル円も買いが優勢となり113.40円近辺まで上昇していた。しかし、ロンドンフィキシングにかけて戻り売りが強まり、112円台に下落している。米株も上げを維持しており、ドルも堅調に推移している。特にドル円が売りを強める材料は見当たらないが、きょうは月末ということもあり実需の動きが出た可能性もありそうだ。

 注目の米株については決算を発表したフェイスブック株の反応がポジティブな雰囲気をもたらしているようだ。フェイスブックの決算自体は買いを強めるほどの強い内容ではなく、思ったほど悪くなかったという程度。最終利益は予想を上回ったものの売上高は予想範囲内で、ユーザー数は予想ほど伸びていなかった。

 前日の米株式市場は引け上がりを見せたが、フェイスブック株の決算への反応に、そろそろ株安も一段落といった期待が市場に高まって来ているのかもしれない。株安が落ち着けば、年末に向けたドル買い需要の観測もあり、ドル円は更なる買い戻しが期待される。

 ドル円はきのうからの上げで21日線を上回ってきており、チャートはダブルボトムを形成している。テクニカル的にはリバウンド期待を高める展開が見られているが、本格的に上値を試すかどかは来週の米中間選挙を受けた市場の反応次第といったところかもしれない。目先はまず、113円台を固められるか注目される。

 ユーロドルは日本時間1時のロンドンフィキシングを挟んで上下動した後、売り優勢の流れを続けている。ラーブ英離脱担当相が英国は11月21日までの合意を見込むとの発言からポンドと伴にユーロも連れ高となり一時1.1340ドル近辺まで上昇する場面も見られた。しかし、買いの流れを維持できていない。値ごろ感からの買いは出るものの下向きの方向感に変化はないようだ。

 イタリアの財政問題がユーロを圧迫しているが、きょうはトリア財務相とビスコ伊中銀総裁の発言が伝わっていた。ただ、財政拡大に関して両者の見解は異なっているようだ。トリア財務相は「財政刺激策がなければ成長はない」とする一方で、ビスコ総裁は「財政刺激策を実施しても需給ギャップは縮まらない」と述べている。ただ、このイタリア問題に関して、ECB理事のノボトニー・オーストアリア中銀総裁は「ユーロ圏への大きな影響はなく、ECBは12月で資産購入終了の路線に変更はない」と述べていた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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