■業績動向
1. 2018年12月期第2四半期の業績概要
発表されたサイバーリンクス<3683>の2018年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比2.9%減の4,637百万円、営業利益が同22.1%減の210百万円、経常利益が同26.5%減の217百万円、四半期純利益が同26.2%減の134百万円となった。また償却前経常利益は472百万円(同8.7%減)であった。
2018年12月期上期は人員増強等による費用増や償却負担増が見込まれていたことから当初から営業利益は減益予想(150百万円)であったが、結果は210百万円となり計画は上回った。流通クラウド分野で一部案件の後ずれ等があったものの、官公庁分野の利益率が予想以上に改善し、ITクラウド事業のセグメント利益は計画を上回った。一方でモバイルネットワーク事業では、販売台数の増加により増収となったものの、減価償却費増やインセンティブ収入の減少により減益となり、セグメント利益は計画を下回った。
経常利益(前年同期比78百万円減)の増減要因を分析すると、主な増益要因としては官公庁クラウド分野の利益率改善50百万円、販管費等の減少33百万円、その他費用の減少3百万円などで、一方で主な減益要因としては流通クラウド分野の原価増(開発・導入部門の増強による労務費等の増加)35百万円、償却費負担増67百万円などであった。
2. セグメント別状況
各セグメントの状況は以下のようであった。
(1) ITクラウド事業
流通クラウド分野、官公庁クラウド分野とも、大型案件に伴う機器販売等の減少によりセグメント売上高は前年同期比5.8%減の2,650百万円となった。セグメント利益は、開発増強等により同13.0%減の127百万円となったが、期初計画(40百万円)を上回った。
a) 流通クラウド分野
主力サービスである@rmsやクラウド型EDIサービスは順調に拡大したが、海外進出企業への支援等の大型案件に伴う機器販売やカスタマイズが減少したこと、一部案件が後ずれしたこと等から売上高は減収となった。利益面でも、@rms次期バージョンの開発にかかる償却負担増、サービス拡充に向けたAI利用等の研究開発投資増などにより減益となった。
b) 官公庁クラウド分野
「自治体情報システム強靭性向上モデル」関連案件などの大型案件が減少したことなどから、減収となった。ただし利益面では、工事案件が順調に進捗したことなどから相対的に利益率が改善し、利益は計画を上回り前年同期比で増益となった。
(2) モバイルネットワーク事業
販売業務の適正化が求められる環境下で、顧客対応等サービス品質向上による競合店との差別化が奏功し、販売台数が増加、さらに販売単価も上昇したことから、セグメント売上高は前年同期比1.1%増の1,987百万円となった。
しかし利益面では、前期に実施した店舗リニューアルに伴う減価償却費の増加やキャリアからのインセンティブ収入が減少したことなどから、セグメント利益は同22.8%減の211百万円となり、計画(250百万円)も下回った。
自己資本比率は67.4%と安定
3. 財務状況
2018年12月期第2四半期末の総資産は前期末比362百万円減の5,424百万円となった。流動資産は同395百万円減の2,105百万円となったが、主に現預金の増加35百万円、受取手形・売掛金の減少540百万円、棚卸資産の増加77百万円による。固定資産は同33百万円増の3,319百万円となったが、主に無形固定資産の増加34百万円による。
流動負債は同406百万円減の1,296百万円となったが、主に短期借入金等の減少400百万円による。固定負債は同24百万円減の423百万円となったが、主に長期借入金の減少25百万円による。この結果、負債合計は同430百万円減の1,719百万円となった。
純資産は四半期純利益の計上などによる利益剰余金の増加等により同68百万円増の3,705百万円となった。この結果、2018年12月期第2四半期末の自己資本比率は67.4%となり、前期末比で5.2ポイントアップした。
4. キャッシュ・フローの状況
2018年12月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは811百万円の収入であったが、主な収入は税引前四半期純利益217百万円、減価償却費226百万円、売上債権の減少540百万円等で、主な支出は棚卸資産の増加77百万円、仕入債務の減少86百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは272百万円の支出であったが、主な支出は有形固定資産の取得66百万円、無形固定資産の取得201百万円等であった。財務活動によるキャッシュ・フローは502百万円の支出であったが、主な支出は短期借入金の減少400百万円、配当金の支払額77百万円等であった。
この結果、期中の現金及び現金同等物は35百万円増加し、四半期末の現金及び現金同等物残高は426百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
1. 2018年12月期第2四半期の業績概要
発表されたサイバーリンクス<3683>の2018年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比2.9%減の4,637百万円、営業利益が同22.1%減の210百万円、経常利益が同26.5%減の217百万円、四半期純利益が同26.2%減の134百万円となった。また償却前経常利益は472百万円(同8.7%減)であった。
2018年12月期上期は人員増強等による費用増や償却負担増が見込まれていたことから当初から営業利益は減益予想(150百万円)であったが、結果は210百万円となり計画は上回った。流通クラウド分野で一部案件の後ずれ等があったものの、官公庁分野の利益率が予想以上に改善し、ITクラウド事業のセグメント利益は計画を上回った。一方でモバイルネットワーク事業では、販売台数の増加により増収となったものの、減価償却費増やインセンティブ収入の減少により減益となり、セグメント利益は計画を下回った。
経常利益(前年同期比78百万円減)の増減要因を分析すると、主な増益要因としては官公庁クラウド分野の利益率改善50百万円、販管費等の減少33百万円、その他費用の減少3百万円などで、一方で主な減益要因としては流通クラウド分野の原価増(開発・導入部門の増強による労務費等の増加)35百万円、償却費負担増67百万円などであった。
2. セグメント別状況
各セグメントの状況は以下のようであった。
(1) ITクラウド事業
流通クラウド分野、官公庁クラウド分野とも、大型案件に伴う機器販売等の減少によりセグメント売上高は前年同期比5.8%減の2,650百万円となった。セグメント利益は、開発増強等により同13.0%減の127百万円となったが、期初計画(40百万円)を上回った。
a) 流通クラウド分野
主力サービスである@rmsやクラウド型EDIサービスは順調に拡大したが、海外進出企業への支援等の大型案件に伴う機器販売やカスタマイズが減少したこと、一部案件が後ずれしたこと等から売上高は減収となった。利益面でも、@rms次期バージョンの開発にかかる償却負担増、サービス拡充に向けたAI利用等の研究開発投資増などにより減益となった。
b) 官公庁クラウド分野
「自治体情報システム強靭性向上モデル」関連案件などの大型案件が減少したことなどから、減収となった。ただし利益面では、工事案件が順調に進捗したことなどから相対的に利益率が改善し、利益は計画を上回り前年同期比で増益となった。
(2) モバイルネットワーク事業
販売業務の適正化が求められる環境下で、顧客対応等サービス品質向上による競合店との差別化が奏功し、販売台数が増加、さらに販売単価も上昇したことから、セグメント売上高は前年同期比1.1%増の1,987百万円となった。
しかし利益面では、前期に実施した店舗リニューアルに伴う減価償却費の増加やキャリアからのインセンティブ収入が減少したことなどから、セグメント利益は同22.8%減の211百万円となり、計画(250百万円)も下回った。
自己資本比率は67.4%と安定
3. 財務状況
2018年12月期第2四半期末の総資産は前期末比362百万円減の5,424百万円となった。流動資産は同395百万円減の2,105百万円となったが、主に現預金の増加35百万円、受取手形・売掛金の減少540百万円、棚卸資産の増加77百万円による。固定資産は同33百万円増の3,319百万円となったが、主に無形固定資産の増加34百万円による。
流動負債は同406百万円減の1,296百万円となったが、主に短期借入金等の減少400百万円による。固定負債は同24百万円減の423百万円となったが、主に長期借入金の減少25百万円による。この結果、負債合計は同430百万円減の1,719百万円となった。
純資産は四半期純利益の計上などによる利益剰余金の増加等により同68百万円増の3,705百万円となった。この結果、2018年12月期第2四半期末の自己資本比率は67.4%となり、前期末比で5.2ポイントアップした。
4. キャッシュ・フローの状況
2018年12月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは811百万円の収入であったが、主な収入は税引前四半期純利益217百万円、減価償却費226百万円、売上債権の減少540百万円等で、主な支出は棚卸資産の増加77百万円、仕入債務の減少86百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは272百万円の支出であったが、主な支出は有形固定資産の取得66百万円、無形固定資産の取得201百万円等であった。財務活動によるキャッシュ・フローは502百万円の支出であったが、主な支出は短期借入金の減少400百万円、配当金の支払額77百万円等であった。
この結果、期中の現金及び現金同等物は35百万円増加し、四半期末の現金及び現金同等物残高は426百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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