先週の海外投資家は3年10ヶ月ぶりの買い越し額でしたが

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/09/28 18:15

来週は警戒が必要だと思います

日経平均は+323円高の24120円と大幅反発しました。

朝方は、米国株高に加えて年初来安値圏まで円安ドル高が進んだことから高く始まりました。

その後も上海株高などが支えとなり、後場寄り付きには高値で+489円高の24286円まで上昇し、今年1月23日の取引時間中の高値24129円を超えて1991年11月以来となる約27年ぶりの高値をつけました。

買い一巡後は利益確定売りで上げ幅を縮小しましたが、業績改善期待から機械や電気機器など輸出関連株を中心にほぼ全面高となりました。

1月23日の終値ベースの年初来高値24124円を取引時間中には上回りましたが、終値では下回りました。

東証1部の売買代金は3兆1929億円、騰落銘柄数は値上がり1399銘柄、値下がり623銘柄、日経225採用銘柄では値上がり189銘柄、値下がり32銘柄でした。

ソフトバンクが約57円、ファーストリテが約45円など、日経平均を押し上げています。

日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに反発しました。

日経平均のテクニカル指標はまだ軒並み高値圏を示唆しています。

9月第3週(9月18日~9月21日)の海外投資家による日本の現物株と先物合計の売買は、1兆4968億円の買い越しとなりました。

買い越しは2週連続で、規模としては2014年11月第1週の2兆2263億円以来、3年10ヶ月ぶりの大きさとなっています。

個人は6738億円の売り越し、信託銀行は1362 億円の売り越しで、大阪取引所がまとめた同期間の指数先物では海外投資家が1兆2197億円の買い越しとなり、先物の買い越し額は17年9月第2週以来、1年ぶりの大きさとなりました。

つまり先週の市場では個人投資家などの戻り売りに海外投資家が買い向かったことになり、それもかなりの額だったことがわかります。

今週もその流れを引き継いだ格好となりましたが、「何年振り」というレベルまで買ったことで、海外投資家がいつ売りに転じてもおかしくない状況であることも推測できます。

ヘッジファンド等は常に利益を追求することが求められますので、上値が重くなったと判断すると、今度は相場を売り崩して利益を出そうと動きます。

きょうは週末、月末、中間期末が重なりましたが、ココまで上昇が続いていましたので、買いポジションを積み上げていた投資家はその評価が下がらないように相場が崩れない程度に利益確定売りを出したと思いますが、来週からは少しこの状況が変わりやすいと思います。

一方でオプション取引や先物では売り方が厳しい戦いを強いられていますので、相場が上がれば売り方は引き続き買い戻しを進めざるを得ません。

相場の過熱感は誰もがわかっているところですが、超目先はこの先物・オプションの売買に絡んだせめぎあいが相場が転換する時期を左右しそうです。

ただ水準的に、やはりある程度のスピード調整が起こるまでは買いのイメージは持てませんので、いまはとにかく段階的に利益確定売りを進めるだけで、積極的に参加するところではないと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想