日経平均は6連騰で直近の安値からきょうの高値まで

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/09/21 17:08

約1798円の大幅上昇となりました

日経平均は+195円高の23869円と6日続伸しました。

朝方は、米国市場でNYダウが8ヶ月ぶりに史上最高値を更新したことや、円安ドル高進行を好感して高く始まりました。

その後前場中はもみ合いとなりましたが、後場に入ってさらに円安ドル高が進んだことや、米国株時間外取引が堅調に推移したこと、上海株が上げ幅を広げたことなどから、高値では+296円高の23971円まで上昇しました。

米中貿易摩擦への警戒が和らぐなか、海運や素材などの景気敏感株が買われたほか、米長期金利の上昇から利ざや改善期待で保険や銀行など金融株の上昇も目立ちました。

大引けにかけては3連休を控えていることや、来週開催される日米閣僚級貿易協議(FFR)、日米首脳会談の行方を見極めたいとの雰囲気もあり、利益確定売りに押されて上げ幅を縮小しました。

取引終了間際にインデックス売買が膨らんだことから、東証1部の出来高は20億7835万株と5月31日の22億6414万株以来約3ヶ月半ぶりの水準に達し、売買代金は3兆9626億円、騰落銘柄数は値上がり1591銘柄、値下がり456銘柄、日経225採用銘柄では値上がり184銘柄、値下がり39銘柄でした。

裁定買いの影響で、京セラが約19円、ソフトバンクが約18円など日経平均を押し上げています。

投資家心理の改善から、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに反発しました。

日経平均のテクニカル指標は総じて高値圏を示唆する水準に達しました。

これだけ高値圏のものが並んだ位置から買うのはとても危険だと思いますが、特段の大きな材料がなく上昇が続いたことから、売り方はジワジワと買い戻しを迫られて買い方のペースが続いてきたことも事実です。

ただ7日の安値22172円からきょうの高値23971円まで約1798円上昇しましたので、スピード調整は早々に起こると思います。

繰り返しになりますが、この上昇の3分の1押しにあたる23371円や半値押しの23072円、悪材料が出れば25日線(今日現在:22769円)などを目指す下落が起こってもおかしくはありませんので、やはり目先は段階的に利益確定売りを進めるところだと思います。

もし万が一この流れで24000円を超えて上昇となった場合でも、常に反動安が出やすいことは意識しておいた方がいいと思います。

また相場では高値をつけたところや安値をつけたところでの大商いは、目先の転換点になることが多いですので、この高値圏で3か月半ぶりの水準まで出来高が膨らんだことにも注意が必要だと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想