■9月10日(月)■貿易摩擦の混乱から国内需要銘柄にシフトか?

著者:堀篤
投稿:2018/09/10 13:11

貿易摩擦の混乱と、テクニカルの上昇圧力の綱引きになりそう


リーマンショックから10年目の節目となるこの時期、米国の専門家は改めて当時と今の金融システムや経済情勢の比較を論じている。
いくつかを読んでみると、警告的なものは少なく、現在の好景気が、当時の行き過ぎた信用供与とは意味が違う、という論調が多いように見える。米国株式市場に対する投資家の期待がまだまだ大きいこと、高値に対する警戒感がそれほどないこと、がわかる。
NY市場は、先週末、発表された雇用統計は米国景気の強さを裏付ける結果となったが、株式市場はこれに対して一度は利上げペースの上振れを警戒して下落したが、そこから買い戻され、一度はプラスゾーンまで戻った。この動きは、米国がすでに金利ではなく業績で動く「業績相場」に移行していることを意味する。
減税効果剝落後の来期業績を、米市場は注目している。

一方東京市場は、今週は、貿易摩擦の混乱と、テクニカルの上昇圧力の綱引きになりそうだ。
先週の日経平均は、下がるべき時に普通に下げた、という週になった。つまり、まだ材料不足の時に上昇するほどのエネルギーは無い、ということだ。
そして、トランプ氏の貿易摩擦的発言があるだろうという警戒感を持った週であったが、その発言は、良いか悪いか、週末に出てきた、
「日本との良好な関係もここまでになるだろう」
という脅しともとれる発言で円高に触れそうになる局面もあったが、今のところ先物は、それほど影響は受けていない。
テクニカルに注目すれば、日経平均は反発のタイミングが近い。下値は限定的だと言えるだろう。それを感じてか、金曜日の日経平均は下髭が若干長くなって終わっている。月初からこの水準は十分に仕込めるタイミングだろう。

米国でSNS、ハイテク銘柄への危惧が根強いのは気になるが、今週からは8月決算銘柄の決算発表1か月前となり、好業績銘柄の買付が進む可能性がある。
貿易関連、機械関連、SNS、といった分野は敬遠せざるを得ないが、8月決算銘柄には国内需要に影響を受ける銘柄が多い。
業績への視点シフトはまだ続くだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想