独自技術を駆使したパッケージ機能の追求で5期連続の増収増益!
地方証券取引所の上場銘柄は、全国的な「知名度」の低さなどから、東証銘柄の陰に隠れてしまいがちだが、そこにはキラリと光る優良な企業が多く存在する。福岡証券取引所の単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/にもそんな魅力溢れる銘柄がある。この単場会銘柄企業のトップが、自身の言葉でビジネスモデルや成長戦略、経営課題などを語ってくれている。インタビュー記事からは、持続的成長を目指す各社の取り組みが理解でき、思わず応援したくなるほどに熱い意気込みが伝わってくる。3年目を迎える単場会銘柄の特集をご覧になり、ポートフォリオの再検討に役立てていただきたい。
7894:丸東産業
代表取締役社長 尾﨑太郎氏
独自のパッケージ技術をベースに躍進を続ける丸東産業 <7894> は、5期連続の増収増益を達成している。2019年10月に創業80周年を迎える同社の尾﨑太郎社長に、これからのパッケージ市場の可能性や自社製品の優位性、さらに、中長期における経営戦略や経営理念について語っていただいた。
【1】貴社の事業について伺います。
独自技術を駆使したパッケージを市場に提供し続けることで事業展開されていますが、このパッケージという領域には今以上の成長可能性が秘められているのでしょうか? 具体的にご説明ください。
また、直近の業績動向に対してはどのように評価されていますか?
私どもが属するフィルムパッケージ業界は、約1兆円の市場規模で、毎年2~3%程度で成長をしております。市場は当面堅調に推移すると見込んでおります。
パッケージというのは、生活に欠かせない資材であります。普通に生活しているとあまり気にしないものでありますが、例えば、このパッケージ技術の発展により、食品の賞味期限を延ばすことができ、日本から地球の裏側まで商品を運ぶことが可能になったり、品質の安定性が優れることにより、いつでもどこでも新鮮な味を楽しむこともできるようになりました。当社が製造するフィルムパッケージは、今や食品のみならず、医薬品、雑貨、そして化粧品の分野まで利用していただけるまでに至っております。
昨今、国内市場においては、人口減少が叫ばれております。人口が減少するということは、すべての市場において消費が減少することにつながりますが、パッケージの分野では、例えば食品分野においては、より購入しやすいサイズの小分け包装化が進んできたり、日用品分野では、詰め替え用商品が増加傾向にあり、成長可能性はまだまだあると考えております。
さらに、今後においては、包装資材のエコ化、環境負荷の少ない素材化が進むことが期待されております。当社でも、脱アルミの遮光フィルムや袋内の湿度を吸湿するフィルムなど機能性を備えたフィルムを開発し、対応していきたいと考えております。
また、海外でもフィルムパッケージの需要が高まってきております。特に東南アジア諸国の経済発展に伴い、フィルムパッケージに機能が求められてきております。海外を含めて考えれば、パッケージの市場はまだまだこれから拡大することが考えられ、私たちは、そのニーズにお応えするために、4年前からタイに事務所を設立し事業を展開しております。
【2】ビジネスにおける特徴をお話しください。
貴社独自製品が「2017年グッドデザイン賞」を受賞されるなど、高い評価を獲得されています。貴社における製品へのこだわりや特徴は何でしょうか?
私たちの使命は、包装の機能を高め続けることにより、人類の豊かな生活に貢献することです。私たちの包材が包むパートナー企業様の商品を、お使いになる消費者の皆様がより開けやすく、より安心して中の商品をご利用いただけるようにすることに視点を集中させて、機能性の高い製品開発を心がけております。
例えば、今回受賞した「直進くん」は、消費者の皆様が袋を開封したときに、ななめに切れてしまい中のお菓子がこぼれたり、レトルトカレーのように中身が熱いとやけどする恐れがあります。消費者が安心して開封できるという点にこだわって開発してきました。しかし、中には、切り口がまっすぐ過ぎると、つかみにくいというシニア層のご意見などが散見されるようになり、今春「掴めるくん」を発売しました。この製品は袋の開封後、袋の手前側と奥側に段差がつくように加工し、指がかりを良くしてつかみやすく独自形状でのこの機能は、特許を取得しております。例えばチャック付の袋のように、何度も開閉する袋には最適な製品です。
また、同時に受賞した「吸湿くん」は、例えば、小さな乾燥剤の袋が入った食品であれば、乾燥剤を誤食されるリスクがあったり、入れ忘れがないか検品しなければなりません。誤食のリスクと検品の手間を何とかしたいというご要望に、私どもの技術で何とかして応えようと開発いたしました。私どもの製品はすべてオーダーメイドですから、お客様の商品に合わせて設計しつつ、一方では袋の機能を高める新製品開発や、改良を継続していくことで、お客様のお役に立てると考えております。
【3】中長期における経営戦略について伺います。
貴社の持続的な企業成長は、何によって担保されるとお考えですか? 今後の見通しを踏まえてお話しください。
また、海外展開の進捗状況はいかがでしょうか?
私は、事業が持続的に成長していくためには、基本的には製品の品質が重要であると思っています。いくら機能が目を引くものであっても、その品質にばらつきがあったら、その包材を使っていただけるお客様にご迷惑をおかけすることになりますし、信頼を得ることはできません。さらにいうと、その品質をつかさどるのがヒトです。ますます人財の育成が重要な要素になると考えております。
海外展開につきましては、昨年40周年を迎えた香港の100%子会社「香港包装器材中心有限公司」、タイのバンコクに4年前に設立した「Maruto(Thailand)Co.Ltd」の2社のほか、弊社の国際事業部が直接シンガポール、フィリピン、韓国などアジア諸国、またオーストラリアにはかねてよりお取り引きのある代理店を通じて、弊社製品のほか食品機械・寿司ロボットなどの販売をしており堅調に推移しております。
【4】経営理念についてお話をお願いします。
貴社の経営理念は、外部からどのように評価されているとお考えでしょうか? それは、貴社のお考えと同じ評価でしょうか?
私どもの経営理念「お客様第一主義」について、外部からの評価についてコメントはしにくいですが、昨年受賞させていただいたグッドデザイン賞を含めて、当社の袋の性能や意義は少なからず認めていただいていると認識しております。しかし、完璧ということは絶対ありません。まだまだ、取引先のお客様や消費者の皆様からの宿題はたくさんいただいております。私たちは私たちを取り巻くお客様のお役に立つよう今後とも専心努力してまいります。
【5】最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
貴社では、資本市場からどのように評価されることを期待しますか? 加えて、投資家に対してどのようなコミットが可能ですか? また、それを実現させる自信をお持ちでしょうか?
おかげさまで2018年2月期の決算においては、5期連続増収増益を達成することができました。これもひとえにお客様、お取引先様、株主の皆様のお陰と感謝しております。また、弊社は2019年10月に創業80周年を迎えますが、これも創業以来お客様やお取引先、諸先輩方、そして今の従業員とそのご家族のほか、私どもを支えていただいているすべての皆様のお陰であります。重ねて御礼申し上げます、誠にありがとうございます。
資本市場からの評価は、さまざまな形であらわれるものと考えますが、私どものできることとして、今後さらに新製品の開発と改良を通じて包装の機能を高め続け、また海外への展開についても継続して行うことで、皆様のお役に立てるよう、まい進してまいります。
【自社アピール】
私どもは、包装の丸東として1939年創業して2019年10月に創業80周年を迎えます。セロファンの販売から始まった事業は、今や食品・医薬品をはじめとした幅広い分野にご利用いただいています。その背景には、諸先輩方がお客様のニーズに応えてきた結果があると思っています。私どもは、私たちの成長のドライバーは、お客様の求める品質にあると思っています。時代とともに要求される品質は高くなってきていますが、ひとつずつお客様に指導いただきながら積み重ねてきました。そして現在、包装には品質に加えてさまざまな機能が求められる時代になりました。例えばユニバーサルデザイン化するために、パッケージは開けやすく、使いやすくしなければなりません。私どもはこれらの変化に対応し、開けるとき簡単にまっすぐ切れる「直進くん」を販売してきました。そして今年4月に段差がついてつかみやすく開けやすい「掴めるくん」を上市いたしました。そのほかにも、袋に乾燥剤の機能を付与した「吸湿くん」、アルミ箔を使用せずに遮光できる「遮光くん」など、お客様のニーズの変化に対応して、製品の開発・改良を推進しております。今後も確かな技術で付加価値の高い製品の開発を通じて、お客様のご要望にお応えしながら、包装の丸東として、品質・納期でお役に立てるようまい進してまいります。
●資料請求・問い合わせ先
丸東産業株式会社 総務人事部
〒838-0112 福岡県小郡市干潟892番地1
TEL:0942-73-3845 FAX:0942-73-3848
http://www.marutosangyo.co.jp/
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