トランプ砲でドル売り強まる ドル円は111円台半ばまで大幅下落=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/07/21 02:46
 きょうのNY為替市場はドル売りが強まっており、ドル円は111円台半ばまで大幅に下落している。トランプ大統領が米CNBCのインタビューで、中国製品5000億ドル相当の関税賦課を用意しているといった発言や、ツイッターで「中国やEU、自国通貨を操作してきた。引き締めはこれまでの努力全てを損なう。ドル高は競争力を奪う」などと、中国との貿易戦争へ強気な姿勢を示していることや、FRBの姿勢とドル高に苦言を呈したことで、為替市場も敏感に反応せざるを得ない模様。

 また、円に関しては日銀が、イールドカーブ操作の目標変更を検討する可能性なども伝わっており、様々な要因がドル円を圧迫している模様。

 ドル円は111円台半ばに下落。きょうの下げで10日線を下回ってきており、目先は本日111.20円付近に来ている21日線が下値目標として意識される。一方、この2日間の下げで過熱感は一気に解消されており、過熱感を示す指標であるRSIは53まで低下している。

 一方、ドル売りが優勢となる中、ユーロドルは買い戻しが強まっており1.17ドル台を回復。大統領は「中国のみならず、EUも為替を操作している」とツイートしていたが、これについてECBはコメントを控えている。更に、ブラード・セントルイス連銀総裁が利上げに消極的な発言をしたこともユーロドルの上げをフォロー。

 ユーロドルはきょうの上げで21日線を再び回復してきている。きのうは一時1.15ドル台まで下落し、再び下げトレンドに戻るかにも思われたが、トランプ砲で踏み留まったようだ。ただし、特にユーロ圏発の好材料はなく、ドルの行方次第といった雰囲気ではある。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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