■7月17日(月)■新たな上昇に入った日経平均

著者:堀篤
投稿:2018/07/17 12:10

市場の性格に起きつつある変化とは

日経平均は、24000円を目指す上昇に入るか

先週末、久しぶりにまとまった上昇を見せた日経平均株価は、前回上昇波動の終了後すぐに、次の上昇へ入ったと見られる。
今年3月26日安値20347.49円から始まった前回の上昇は、5月21日の高値23050.39円まで、56日間、13.3%のパフォーマンスでいったん終了した。
そして、今回の上昇は、7月5日の安値21462.95円から始まっている。
今回は、中途の激しい上下はあったとしても、9月初旬までは大勢として上昇し、とりあえずの目標は24000円だろう。
同じように60日程度の上昇とすると、期間は9月3日まで、上昇率は24000円までとして11.8%となる。


■市場の性格に起きつつある変化とは

先週は、米中貿易摩擦を巡り、様々な動きが出たが、市場の性格に変化が起きる可能性を感じる週にもなった。そう感じる要因は、激しく動いた為替の動きにある。
マスコミや経済紙は、週末に起きた急激なドル高円安に対する解説に、四苦八苦することになった。なぜなら、これまで米中貿易問題が激化するたびに、株は売られ、投資家はドルを売って円などの安全資産へシフトをしてきた。そして、まさに先週はトランプ氏が再び大規模な対中国での報復措置を検討する旨を述べたところだったからだ。
これまでの展開なら、これによって、株もドルも売られるはずだった。
しかし突如、それとは正反対のことが、市場では起き、株価とドルは急上昇した。
どういった筋が仕掛けたかはわからないが、このことによって市場が、米中の貿易問題について、「リスク」ではなく、米国経済が勝利する「課程」にすぎない、と判断し始めた、と言える。
その背景として、先週、米中貿易問題において、中国の対米輸出が圧倒的に大きいことなどから、米国にはまだ余裕がある一方で、中国には打つ手がなくなってきている、という論調が有力になってきていた、ということがある。
これが当たっているかどうかはともかく、ドルの下落には一定の歯止めがかかったと考えて良いだろう。
そしてそのことが、東京市場にとっては、大きな安心感につながっている。
特に先週は、ソニーに買いが集まり、同社株が前回高値の5700円近辺を超え、6000円直前まで上昇してきた。この動きによって、中小型銘柄に偏りかけていた資金が、再び大型株へ向かう可能性があり、そうなれば、上昇相場の長期化を促すことになるだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想