ドル買い強まりドル円は112円台回復 悪材料の割りに底堅い印象=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが強まり、ドル円は112円台に急上昇した。東京時間の朝方にトランプ大統領は2000億ドル相当の対中関税リストを公表した。米中貿易戦争のエスカレートを懸念してリスク回避が強まり、ドル円も110円台に下落する場面も見られていたが、悪材料の割には底堅い印象で次第に買い戻しが強まっていた。
更に、NY時間の朝方にウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、中国が米国による追加関税に同規模の関税で報復するには米国からの輸入が不十分で、中国は合併承認の先送りなど他の方法で対抗することを検討していると伝えていた。この報道にドル円も敏感に反応し111円ちょうど付近まで急速に下落する場面が見られたが、これも下値での押し目買いに支えられている。
本日は米株式市場でダウ平均が反落しているが、ドル円は戻り売りが強まらなかった。きょうの一連の悪材料にも動じない姿を見た限りでは、上値への意欲がかなり増してきている印象もあり、典型的な強気相場の動きではある。このまま流れを維持しサマーラリーになれば、1月8日の年初来高値113.40円を視野に入る可能性もありそうだ。
なお、今後も貿易問題がエスカレートして行きそうな気配だが、その場合のシナリオはドル買いとの見方も出ている。米経済よりも回復が鈍い他国の経済への影響のほうが懸念されるという。
ユーロドルは戻り売りが強まり、1.1665ドル付近まで下落している。ただ、序盤には急速に買いが強まる場面も見られた。ロイター通信が、2019年に見込まれるECBの利上げの時期を巡って政策委員の間で意見が分かれており、一部の委員は早ければ19年7月の利上げがあり得るとみていると伝えたことが買いを呼び込んでいたようだ。
週初に1.18ドルに到達せず戻り売りに押されて以来、上値が重くなっている印象。目先は21日線が1.16台半ばに来ており下値サポートとして意識される。
きょうはカナダドルが乱高下。カナダ中銀の金融政策委員会を受けカナダドルは買いが強まった。大方の予想通り0.25%の利上げを実施したが、そのこと自体は十分織り込み済み。声明で「インフレは年内に一旦2.5%まで上昇後、2019年の下半期にターゲットに戻る」と言及していたことや、利上げ継続を示唆していたこともタカ派な印象を強めたようだ。
しかし、その後は原油が急落したことや、ドル買いが優勢となっていることもあり、一気にカナダドルは戻り売りに押されている。
ポンドドルも売りが強まっている。きょうの下げで21日線と10日線を再び下回っている。市場では8月利上げの確率を80%程度まで高めており利上げ期待を高めている。前日発表になった5月分の月次GDPを見ても個人消費の拡大から第2四半期の回復の証拠を見せており、ファンダメンタルズ的には利上げは正当化される。
ワイルドカードとしてはEU離脱交渉に絡んだ政治的な動きであろう。もし、メイ政権の足元が揺らぐようであれば、EU離脱交渉にも大きく影響し、さすがに英中銀も利上げを躊躇うかもしれない。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
更に、NY時間の朝方にウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、中国が米国による追加関税に同規模の関税で報復するには米国からの輸入が不十分で、中国は合併承認の先送りなど他の方法で対抗することを検討していると伝えていた。この報道にドル円も敏感に反応し111円ちょうど付近まで急速に下落する場面が見られたが、これも下値での押し目買いに支えられている。
本日は米株式市場でダウ平均が反落しているが、ドル円は戻り売りが強まらなかった。きょうの一連の悪材料にも動じない姿を見た限りでは、上値への意欲がかなり増してきている印象もあり、典型的な強気相場の動きではある。このまま流れを維持しサマーラリーになれば、1月8日の年初来高値113.40円を視野に入る可能性もありそうだ。
なお、今後も貿易問題がエスカレートして行きそうな気配だが、その場合のシナリオはドル買いとの見方も出ている。米経済よりも回復が鈍い他国の経済への影響のほうが懸念されるという。
ユーロドルは戻り売りが強まり、1.1665ドル付近まで下落している。ただ、序盤には急速に買いが強まる場面も見られた。ロイター通信が、2019年に見込まれるECBの利上げの時期を巡って政策委員の間で意見が分かれており、一部の委員は早ければ19年7月の利上げがあり得るとみていると伝えたことが買いを呼び込んでいたようだ。
週初に1.18ドルに到達せず戻り売りに押されて以来、上値が重くなっている印象。目先は21日線が1.16台半ばに来ており下値サポートとして意識される。
きょうはカナダドルが乱高下。カナダ中銀の金融政策委員会を受けカナダドルは買いが強まった。大方の予想通り0.25%の利上げを実施したが、そのこと自体は十分織り込み済み。声明で「インフレは年内に一旦2.5%まで上昇後、2019年の下半期にターゲットに戻る」と言及していたことや、利上げ継続を示唆していたこともタカ派な印象を強めたようだ。
しかし、その後は原油が急落したことや、ドル買いが優勢となっていることもあり、一気にカナダドルは戻り売りに押されている。
ポンドドルも売りが強まっている。きょうの下げで21日線と10日線を再び下回っている。市場では8月利上げの確率を80%程度まで高めており利上げ期待を高めている。前日発表になった5月分の月次GDPを見ても個人消費の拡大から第2四半期の回復の証拠を見せており、ファンダメンタルズ的には利上げは正当化される。
ワイルドカードとしてはEU離脱交渉に絡んだ政治的な動きであろう。もし、メイ政権の足元が揺らぐようであれば、EU離脱交渉にも大きく影響し、さすがに英中銀も利上げを躊躇うかもしれない。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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