7月相場の特徴

著者:比嘉洋
投稿:2018/07/05 12:25

トランプ政権からの発表待ち

前回お伝えした通り、7/6のイベント(対中貿易関税賦課問題)が通過するまで市場は様子見。
トランプ大統領の呟きに対しても瞬間的な反応に留まっています。
時差の関係で中国側が先に米国に対し関税賦課を発表するのでは?との観測も広がっていましたが、「中国政府の立場はこれまでも表明してきたが、中国側から発砲することはなく、米国に先立って関税措置を実施することはない」と表明。
トランプ政権からの発表待ちとなりそうです。
現在言われている340億ドルでの発表となれば、材料出尽くしでドル円は上昇に転じると思いますが、その前に今晩発表されるFOMC議事録の中身を確認しなければなりません。

パウエルFRB議長は就任後から、タカ派に転じてきており、貿易問題の障壁が取り除かれれば、追加の利上げを淡々と行っていくことを想定しているのか、確認したいところです。
もちろん、そういった内容が確認できれば、米長期金利上昇でドル買いに繋がります。
ただし、今回については対中貿易問題に関する発表を控えているだけに、その反応も限定的に留まるものと思われます。

●7月は円高の月?!

過去10年のドル円の星取表を作成してみたところ、3勝7敗の結果でした。
勝:円安、敗:円高を示したものです。実は、7月にはもう一つ大きな特徴がありました。
同様に、米10年債を調べてみたところ、2勝8敗の結果。つまり、7月は金利が低下しやすい傾向があったのです。
過去のパターンが当てはまれば、今年の7月も金利低下→ドル売りとなるわけです。
その際、私が注目しているのは、ドルと円が同じベクトルに向かうのか否か。
ドル売り・円売りの共存はリスクオン、ドル買い・円買いの共存はリスクオフの傾向が強まることを意味します。
ただし、ドル円の値動きは小幅なものになると思うのですが、果たして今年は・・・。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想