「夏相場」には要注意!?

著者:津田隆光
投稿:2018/06/29 13:42

NYダウ・日経平均 月別平均騰落率表(過去20年)

次週からスタートする「7月相場」について、例年「ビックリ10大予想」で有名なブラックストーン社のバイロン・ウィーン氏が直近で以下のような「7月アノマリー※」について述べています。
(※アノマリー:はっきりとした理論的根拠を持つ訳ではないものの、マーケットにおいて“よく当たるかもしれない”とされる経験則のこと。)

例年、米中間選挙がある夏場の相場はパフォーマンスが悪化するアノマリーがある。
1962年まで遡ると、7月以降、歴史的に株式市場はピークからボトムまで平均▲9%調整した後、(秋の)中間選挙を迎える。
「7月」はマーケットにとって特に最も辛い月になる。
歴史が示すのは、「7月」はマーケットが(今までの)利益を吐き出し、年初来マイナスに転じる月になる。
上記事項については、あくまで“アノマリー”であり、また個人的見解ということで、必ずしもその通りになるものではありませんが、
市場にはそのような見方をする向きもあるとの認識について、我々は頭の片隅に入れるべきなのかもしれません。

ここでの「7月相場」を「夏相場」という括りにした上で、過去20年(1998/1-2017/12)における、NYダウ・日経平均の月別平均騰落率表につき、以下ご覧ください。

上図表からも分かる通り、過去20年における「夏相場」(ここでは「7月→8月」の相場のこと)では、7月:NYダウ高、日経平均安の傾向が、そして8月:NYダウ、日経平均ともに安くなる傾向が見て取れます。(上図黄色四角枠)

米ドル/円・豪ドル/円・NZドル/円 月別平均騰落率表(過去20年)

一方で、通貨における「夏相場」の傾向や特徴はどうなのでしょうか。
以下、米ドル/円、豪ドル/円、そしてNZドル/円の過去20年(1998/1-2017/12)における月別平均騰落率表につき、ご覧ください。

上記表より、過去20年における「夏相場」(期間は同上)では、7月・8月ともに米ドル/円、豪ドル/円、NZドル/円は安くなる傾向があり、
特に8月においては年間を通じて相対的に最も下げやすい月との傾向が見て取れます。(上図黄色四角枠)

株式市場および為替市場における「夏相場」の傾向や特徴については、必ずそうなるというものではありませんが、「7月相場」のアノマリーや「夏相場」の傾向として認識した方が無難と言えるでしょう。

蛇足ながら、7月26日からは、アストロロジー(金融占星学)分析で言うところの【水星逆行現象】(7/26-8/19)※がスタートすることもあり、
特に7月後半からのマーケットの動向には注意すべきなのかもしれません。
(※アストロロジー分析において、「マーケットが荒れやすい」「地政学的リスクが発生しやすい」「相場の転換期となりやすい」とされる期間のこと。)

いずれにしても、7月以降の「夏相場」においては、マーケットのリスク回避フローに用心しつつ、リスクマネジメントを中心とする「守りの姿勢」を重視した方が良いのかもしれません。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想