貿易戦争懸念で上値が限定される展開に・・・

著者:平野朋之
投稿:2018/06/25 11:43

安値ターゲットは?


■今週は、貿易戦争懸念が更に市場を混乱させることになり、上値が限定された展開を予想しています。

さて、ここ最近の動きをみると全ての市場において「予想不可能」という言葉がつい出てしまうほどの動きです。

というのも、つい先日までは地政学リスクが市場を圧迫させ、史上初の米朝会談が終了し、市場はFRBの追加利上げに関心が集まることになりました。

結果的には追加利上げはあと2回のガイダンスがあり、強気の相場展開を予想できたはずが、再びトランプ砲が市場の空気を一変させてしまいました。

■米中貿易戦争は回避するどころか、更に報復完全合戦になり、その影響で上海総合指数も3000の大台割れになり、ついにチャイナショックの安値をも捉える勢いで下落し始めました。同じくNYダウもこのところ小さい下げであるものの、下落ムードがあり上値が重い展開が続いています。

■この株式市場の下落は、この先の世界景気後退の警鐘を意味しているのではないかとみています。つまり、株式市場が下落することで、市場はリスクオフを意識し、その結果として為替市場は円買いに走る可能性があるのではないかとみています。

そして先週土曜日に更に「トランプ砲」をEUに向けて発射しています。

ツイッター上で再報復を表明しています。
既に農産品まで関税をかける発言をしていることで、商品先物市場も下落する可能性もあり、その結果資源国通貨も下落、新興国通貨も歩調を併せるように下落するのではないかとみています。

いずれにしても、トランプ大統領は11月の中間選挙に向けた票獲得に奔走しているだけに、もう誰に求められないといった相変わらずの「トランプファースト」を貫いていると感じます。世界がどうなろうと、米国は知らない・・といった態度にすらみえます。

となると、困るのが金融正常化に舵をきったFRBです。

これまで失業率や物価上昇、景気に配慮して追加利上げを行ってきたものの、この「トランプ砲」のおかげで、予期せぬ事態も視野に入れなければならなくなりました。

■現状だけ見れば、確かに年内追加利上げあと2回は理解できますが、もし貿易戦争が激化する事態になれば、追加利上げどころか見送りもしくは追加利下げも・・少し大げさに感じると思いますが、そのぐらい大規模な貿易戦争に突入する可能性も出てきています。

今週は貿易戦争を気にしながら、トランプ大統領のツイッターに神経をいつも以上に尖らす必要がありそうです。


■最後にドル円のテクニカル分析です。

4時間足チャートに注目しています。
5月30日安値(108.12円)と6月19日安値(109.55円)を結んだサポートラインを意識しています。
先週末引値ベースではそのサポートラインを回避していますが、このラインを引値ベースで下抜ければ、大きな調整に入るのではないかとみています。

その場合、先ほどのトレンドの始まりである5月30日安値(108.12円)をターゲットにする可能性があるとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想