円買い先行も、リスク回避一辺倒にはならない…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/25 11:36

◆リスク回避姿勢優勢、ただ次第に下げ渋る…

※ご注意:予想期間は5月26日と表示されていますが、本日(5月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


 「米朝首脳会談を中止に」

書簡で通告したとされるこのヘッドラインは、持ち直しつつあった“センチメント”を再び押し戻しました。
地政学的リスクを囃した“リスク回避姿勢(円買い)”が優勢となり、ドル円は109円割れへと突き落とされました。

ただ2.95%まで一時低下した米10年債利回りは緩やかに戻しつつあり、大きく下げていたNYダウも次第に“下げ渋り”に転じています。
“リスク回避姿勢”が台頭している割に“意外としっかり”しているようにも感じるところです。

◆「想定していた以上に突っ込んだ」は事実だが…?

「リスク回避ニーズがどの程度残っているか…?」を見極める必要はありますが、「今回の上昇は4日安値(108.650円)から…」と考えれば“いい水準まですでに押した”といえます。
また「もう一段の下落」というイメージはついて回りますが、米・英市場3連休(28日は米メモリアルデー/英スプリングバンクホリデー)を控えて「ポジション調整(今回は買い戻し)は入りやすい」と見るのが自然です。
「想定していた以上に突っ込んだ」印象はありますが、全てをなぎ倒す破壊力を秘めたリスク回避姿勢は「それほど拡大しない…?」
細心の注意を払いつつも、昨日に続き「109円半ば~前半は買い下がり」で対応したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.174(5/21~5/24の50%戻し、200日移動平均線)
上値4:110.049(5/24高値、大台)
上値3:109.887(5/21~5/24の38.2%戻し、20日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:109.647(100週移動平均線、日銀短観想定レート)
上値1:109.371(日足・一目均衡表基準線)
前営業日終値:109.254
下値1:108.956(5/24安値、大台)
下値2:108.832(5/8安値、3/23~5/18の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
下値3:108.753(5/7安値、ピボット1stサポート)
下値4:108.650(5/4安値)
下値5:108.543(4/24安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:02 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想