今週のドル円見通し:目先108円を目指すも長続きしない可能性も

著者:平野朋之
投稿:2018/04/23 13:23

原油価格の上昇に警戒が必要

いつもお世話になり有難うございます。
トレードタイムです。

■安倍総理が訪米しトランプ大統領と会談では、北朝鮮問題で終始し、話題に上がっていたFTAには踏み込まなかったのも先週の上昇材料になっています。

しかし、これで米国からのプレッシャーが終わるはずも無く、先送りしただけであり、いずれ米国に有利なFTAを持ち込むことが確実なだけに、予断を許さない状況とみています。





■今週は原油価格の上昇に警戒が必要だとみています。

現在1バレルあたり68ドルと大台である70ドルが視野に入り始めました。

週末のトランプ大統領の原油価格の上昇に対するツイッター上でのけん制発言もあり注目が上がり始めました。
この上昇は、米国にとっては景気回復に水を差しかねない材料で、先般の大型減税材料と相殺し、金融正常化に向けた追加利上げも頓挫する恐れもあります。つまり、景気回復の中でのインフレ懸念を増発させる「スタグフレーション」すらイメージしてしまうほどです。それ故、今後の原油価格上昇は米国の消費にも影響が出始めるのではないかとみています。




■今週は日欧で金融政策決定会合がそれぞれ行われます。


金利に変更は無いもののその後の、コメントには注目したいです。米国との金利差が広がり続ける中で、各国の見通しやスタンスには注視したいです。
また、毎年5月の「メル・イン・メイ」も控え、更に米中貿易摩擦問題の激化、原油高、日本のアベノミクス終焉と株式やそのほかのマーケットのトレンドを壊す材料が潜在的にあるだけに、いつも以上に警戒レベルを上げたいと考えています。ひそかに、中国の株式指数が再び、3000の大台を割り込み、マーケット全体的にリスクオフが再来するのではないかとみています。




■テクニカル面からは・・・(ドル円)

日足ベースでは3本連続の陽線で、一度は108円を試すとみています。

また、移動平均75日線(20日現在:107.81円)で抵抗に感じているものの、チャートのカタチは好転し始めています。
戻りの目処としては、今年1月からの下落局面に対して、38.2%戻り(20日現在:107.92円)や、水平線でみて今年1月26日安値(108.28円)が目処になりそうです。

目先、買い目線の場合、時間軸の短いもので回転を利かせた売買を想定。

但し、ドル円の月間足は今月は今現在陽線であるものの、やはり、今年3月までの「陰線3本」があるので、中期的視点では再度105円割れがあってもおかしくありません。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想