シェアリングテクノロジー 引字圭祐社長インタビュー

投稿:2017/10/26 14:15

再来期、経常15億円(前期比約4倍)への挑戦

●引字圭祐氏
シェアリングテクノロジー 社長
 

 
 8月に東証マザーズと名証セントレックスへの株式上場を果たしたシェアリングテクノロジー<3989.T>は、ライフサービスマッチング事業をメインに展開。総合プラットフォームサイト「生活110番」では、暮らしのなかの困りごとなどを解決するため生活に関する200以上のジャンルから、最適なサービス提供者を検索・比較し、問い合わせできる事業を行っている。急激な成長を続ける同社の今後の事業展開について、引字圭祐(ひきじ・けいすけ)社長に聞いた。

――まずは簡単なプロフィールを教えてください

引字 1985年、愛知県生まれです。大学在学中に、「シェアリングテクノロジー株式会社」を立ち上げ、代表取締役に就任しました。

――現在の事業について簡単に教えてください

引字 当社が運営するWEBサイトに寄せられる「生活に関するお困りごと」に合致したサービス提供者(加盟店)をマッチングするサービスを展開しています。

――今年8月に東証マザーズと名証セントレックスへの同時上場を果たされていますが、今後はどのような成長を見込んでいるのでしょうか?

引字 前々期から前期までに問い合わせ数が50%以上成長しました。当社は問い合わせ数の伸びに概ね比例し、売上高も同程度の成長を確保してきました。問い合わせ数を伸ばすためには、サイトのユーザビリティ向上やコンテンツ強化、システムの強化などの積極的な投資が必要です。今後も、引き続き積極的な投資を行うことで、トップライン(売上高)の伸びを過年度と同様の50%以上の成長で伸ばすことを目標としております。

――トップラインの伸びを意識されているとのことですが、利益についてはどのようにお考えでしょうか?

引字 今期と来期は「投資フェーズ」として考えていますが、再来期を「投資回収フェーズ」として、前期の約4倍の経常15億円を達成することを目指しています。なお、再来期も当然のことながら必要な投資は行っていきます。

――「経常15億円」とは、すごい伸び率ですね。達成に向けてどのような構想があるのでしょうか?

引字 そもそも現在のライフサービス事業を開始して以来、トップラインを伸ばしながら積極的な投資を進めることで、潜在的な利益額の増加を図ってきました。そのためこれまでの顕在化している利益率だけを見ると年度によってバラつきがありますが、ライフサービス事業の潜在的な利益率は大きく悪化していない状況にあると考えています。このような状況から「経常15億円」達成に向けて、戦略的な投資を続けライフサービスの市場シェアを拡大させることで、トップラインを伸ばしていきたいと考えています。

――トップラインの伸びにこだわっていることがよく理解できました。投資家にもトップラインの伸びを成長戦略として示していくということでしょうか?

引字 先ほどのお話とも重複しますが、潜在的な利益率が悪化していないのであれば、トップラインが伸びることによって当社の実力値は大きく伸びていくものと考えています。例えば「ぐるなび」は積極的な投資を行い、一定期間利益率が悪化しましたが、投資回収フェーズに入り、利益率が大きく改善しました。当社においても今期、来期、積極的な投資を行い、そういった姿を再来期にみせたいと思っており、そのような成長戦略、中期経営計画をお示しすれば、投資家の皆様にはご納得いただけるものと確信しています。

――そうした成長の結果が数字としてひとまず具現化するのが、再来期の「経常15億円」というタイミングということですね?

引字 その通りです。

――一方で、最近のプレスリリースなどを見ると、既存事業とは異なる領域での動きも見られますが、そちらの成長戦略についてはどうでしょう?

引字 現時点で具体的な内容をお話しすることはできないのですが、こちらも再来期に向けて、積極的に新規事業やM&Aを行っていくことを検討しております。

――新規事業やM&Aだと相応の資金の確保も必要となると思いますが、実現に向けてどの程度進んでいるのでしょうか?

引字 低金利時代を活かした借入を積極的に行って資金を確保していくことを計画しています。現在あるキャッシュと今後進めていく借入により増加する資金を利用することで、新規事業やM&Aを積極的に行っていく準備は整いつつあると考えています。今後ともぜひ当社の事業展開に、期待していてください。

配信元: みんかぶ株式コラム