昭和鉄工 福田俊仁社長インタビュー

投稿:2016/07/13 17:00

福証単場会銘柄に注目! 
新たな成長の兆しを見せる九州軍団

 国内株式市場が上昇波動に乗り切れない中、地方証券取引所の上場銘柄には、全国的な知名度こそ高くないもののキラリと光る注目したい優良な企業が存在する。今回、福岡証券取引所に単独上場している福岡単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/の企業トップが、自らの言葉でユニークなビジネスモデルや成長ストーリーを語ってくれた。いまだ、熊本震災の記憶は生々しいが、福証単場会の銘柄はアツイ。


5953:昭和鉄工
代表取締役社長 福田 俊仁氏

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 昭和鉄工(福証:5953)は、創業時の医療用蒸気消毒器製造から始まり、現在は多様化する社会のニーズに対して環境に配慮した「熱」の技術を活かすモノづくりで、豊かな未来の創造に挑戦している。多角的な7つの事業展開を行っている同社社長の福田俊仁氏にビジネスのこだわりと今後の展望を語っていただいた。
 

1)貴社の事業について伺います。
どのような事業を展開されているのでしょうか?具体的にご説明ください。
また、直近の業績動向に対してはどのように評価されていますか?

 当社は大きく7つの事業を展開しています。

1.創業以来のコア技術によって生み出された温水ボイラーや業務用エコキュートなどの製造を行う熱源機器事業
2.ファンコイルユニットやデシカント空調機などの製造を行う空調機器事業
3.業務用空気清浄機、24時間風呂、工業用面状ヒーターなどの製造を行う環境機器事業
4.FPD(フラットパネルディスプレイ)関連ガラス基板用やハイテン鋼用の熱処理炉の製造を行うサーモデバイス事業
5.橋梁用防護柵(高欄)を中心とした土木景観資材の製造を行う都市景観事業
6.ガスタービンエンジンなどの鋳鉄製外販部品や精密鋳造品の製造を行う素形材事業
7.各種設備機器の設置工事、衛生工事、保守点検、修理を行うサービスエンジニアリング事業

 以上の事業です。

 近年の動向としては、全体的にリニューアル需要や省エネへの要望が高まっており、当社の製品構成や開発テーマにも大きな影響を与えています。ヒートポンプ技術を採用した業務用エコキュートやデシカント空調機などは今後の市場性を踏まえ、特に注力している製品です。また、面状ヒーターやセラミックヒーターなどの新しい特殊熱源製品は半導体業界や自動車業界を中心に年々ニーズが増え業績向上にも寄与しています。

07_syowa_エコキュート 07_syowa_温水ヒーターネオス 07_syowa_外気処理機ケアフレッシュ
07_syowa_ファンコイルユニット07_syowa_デシカント空調機07_syowa_熱処理炉

2)ビジネスにおける特徴をお話しください。
貴社の事業におけるこだわりや特徴は何でしょうか?

 創業期から有する熱技術をコアとしたモノづくりが当社の最大の特徴です。ボイラーと橋の欄干(高欄)のように全く別分野である製品も鋳造という製造技術でつながっているように、当社の事業・製品はすべて熱技術を根幹としています。経済性と環境性を向上させるために熱エネルギーの効率化と生活空間の快適性の両立を製品開発の最重要課題として日夜取り組んでいます。

 長寿命製品が多いのも特徴で、ライフサイクルコストを考えた品質へのこだわりはもちろんのこと、長きにわたりきめ細かいサービスを提供することも100年企業としての大きな責務と考えています。「誠実を造り、誠実を売り、誠実をサービスする」という社是がこれを端的に表しています。

3)中長期における経営戦略について伺います。
貴社の持続可能な企業成長は、何によって担保されるとお考えですか?今後の見通しを踏まえてお話しください。

 従来の給湯・空調製品は売上の横ばいが続いていますが、熱源を自社製ヒートポンプに転換した省エネ製品の市場投入と販促を積極的に行っており、市場の評価が出始めています。

 また、電気ヒーターなどの特殊熱源製品は半導体や自動車など成長産業からの引き合いが増えてきており、今後はその応用展開を含めて新しい事業の柱として期待できます。

 これらを踏まえ、当社は2019年度を最終年度とする中期経営計画「本業回帰で筋肉質な企業体質を実現する!」をさらに追及し安定的な成長を目指してまいります。そのために「事業の選択と集中」、「差別化新製品の開発」、「固定費の最小化」に全社一丸で取り組んでおり、基本の徹底によるムリ・ムダ・ムラの排除、継続可能な仕組みづくり、そして人材育成に注力しています。

 こうした取り組みの成果によって適正利益を上げ、社員に還元し、誇りと幸せを感じられる会社にします。そうすることで顧客や投資家の皆様からも満足と信頼を得られる会社へと発展し、ひいては社会への貢献にもつながります。この良い循環が当社の持続的な成長を支えるものだと考えます。

07_syowa_エアハンドリングユニット07_syowa_電気ヒーター 07_syowa_メンテナンス
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4)経営理念についてお話をお願いします。
貴社の存在は、外部からどのように評価されているでしょうか?また、それは経営理念と合致しているとお考えですか?

 当社の経営理念は「社員の誇りと幸せ」、「顧客の満足と信頼」、「社会への貢献」、「適正利益の追求」です。創業133年という長きにわたる企業活動の中で培った技術や会社の安定性では一定の評価をいただいていると思います。反面、古い体質があるのも充分認識しております。今後は環境変化への柔軟な対応と中期経営計画の実行で、経営理念との合致を更に進めていきたいと考えます。

5)最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
貴社では、資本市場からどのように評価されることを期待しますか?また、それを実現させる自信をお持ちですか?

 当社は創業当初から「熱」を扱うことに取り組んでまいりました。ボイラーを中心とした燃焼技術を使った製品からスタートし、今では電気ヒーターやヒートポンプ技術も習得しました。電気ヒーターは小型のものから大型の産業用電気炉まで高い制御技術を特徴としています。また、ヒートポンプ技術は省エネを追求する空調製品や業務用給湯製品に展開し、ヒートポンプユニットと燃焼式給湯機を併用するハイブリッドシステムも可能にしています。このように当社は長きにわたって時代が求める熱技術を獲得してまいりました。その意味では「熱とその応用技術製品についてはナンバーワン」との市場評価を得ることが最大の目標だと言えます。更なる事業の選択と経営資源の集中投下によって必ずやその目標を実現できると確信しております。

●資料請求・問い合わせ先
昭和鉄工株式会社 総務部
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配信元: みんかぶ株式コラム