S&P500月例レポート(2017年5月配信)
S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。
4月の地政学イベントは、
市場には(他は別として)エイプリルフールのネタをもたらさず
4月は骨の折れる1カ月でした。国内外とも地政学的な問題をめぐるニュースで持ちきりとなり、世界は「押してはいけないことになっているボタン」の存在を、何かにつけ再認識させられることとなりました。懸念、動揺、恐怖心がエイプリルフールのジョークを盛り上げたかもしれませんが、ブロード・ストリートとウォール・ストリートの角(ニューヨーク証券取引所)に近い筆者のオフィスから眺めると、「恐怖心」は正直で信頼できる政治家と同じくらい希少でした。もちろん、そのような政治家も多少は存在しますし、同様に市場にも警戒感はあるものの、VIX恐怖指数は10.82で4月を終え、これは10年間の平均値である20.71のほぼ2分の1の水準です(政治家の価値が2分の1ということを示唆するものではありません)。そのため、市場は「何か心配でも?」という姿勢で第1四半期の決算発表シーズンを迎えましたが、S&P500指数構成企業のうち、事前の利益予想を上回った企業は76%を占め、67%というこれまでの平均を上回る結果となりました。一部の企業が示した楽観的な業績予想に支えられ、2017年の通期予想は底堅さを示しました。現時点で2018年を予想するのは難しく、というのも、マリファナが合法化された州の一つに住むアナリストからの予想がまだ届いていません。しかしながら、マリファナは実際に、新たな産業に参入したいIT業界や税収を得たい一部の州の予算に順調に寄与しているようです。そのため、次の四半期の今頃には、筆者もその予想にもっと注目するようになっているでしょう。その時期には第1四半期が過去のものとなり、第2四半期の決算は70%が発表済みで、議会は8月の休会を控えていることから、どのような法案も評価し易くなります(今、その木には余分な枝葉が多すぎます)。既に述べたように、4月に大荒れ相場という野獣をなだめたのは企業決算でした。株式市場は0.91%の上昇を記録し、株価水準がさらに一段押し上げられましたが、引け値ベースでの史上最高値の更新はありませんでした。5月の相場が私たちと共にありますように。
【押さえておくべき4月相場の2つの重要ポイント】
●政治ニュースが見出しの多くを占めましたが(北朝鮮、フランス、英国、最高裁、ヘルスケア、所得税)、相場を支えたのは企業業績でした。76%の企業の業績が予想を上回り、S&P500指数は0.91%上昇しました。年初来では6.49%、昨年11月8日の米大統領選以降では11.43%の上昇率を示しています。
●市場の警戒感はボラティリティを高めたように思えたものの、結局ボラティリティは極めて低い状態にとどまりました。ボラティリティのグラフを見ると、2017年の年初来の数字は、過去55年間で最低の水準となっています。VIX恐怖指数は、警戒感がないことを示しているのに加え、10.82という現在の数字は過去10年間の平均値20.71のほぼ半分の水準です。
トランプ政権は、少なくとも85人が死亡した爆撃で化学兵器を使用したとしてシリア政府を非難し、攻撃の拠点となったシリア軍の飛行場に対する空爆を行いました。ニール・ゴーサッチ氏の最高裁判事指名をめぐり、米上院では、議会の規則を変更して党の路線に沿って投票が行われました。これにより、定員9名の最高裁判事の構成が5対4で保守派優位の状況に戻りました(2016年2月のスカリア判事の死去に伴い4対4になっていました)。トランプ大統領は、国家安全保障会議(NSC)のメンバーからスティーブ・バノン氏を外し、より伝統的なメンバーを加えました(政権内部での権力争いが報じられました)。また、カナダから輸入する針葉樹の木材(居住用住宅向けで、年間約50億ドル相当が対象)に20%の関税を課すと発表しました。一方、連邦地裁の判事が、不法移民に寛容な「聖域都市」への補助金停止を指示する大統領令を差し止める決定を下しました。司法当局による大統領令の差し止めは、これで3度目となります。法人税率を現行の35%(S&P500指数を構成する企業の2016年の法人所得に対する実効税率は26.09%)から15%に引き下げる案を盛り込んだトランプ大統領の最初の税制改革案は、ほとんど意外性もなく、議論のたたき台と捉えられました。今後は海外利益が非課税(または極めて低い税率)となり、これまで海外に滞留していた利益は、1回限りの課税で国内に戻すことを可能にする措置によって米国への資金還流が促進されると期待されます。個人の所得税については、最高税率が39.6%から35%に引き下げられ、現在の7段階の税率区分が3段階(10%、25%、35%)に簡素化される他、多くの所得控除が廃止され、一部の税金(代替最少税額や不動産税)は廃止される見通しです。
中央銀行関連では、利上げが決定された3月15日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場にとってノンイベントと受け止められていましたが、公表された議事要旨の内容は、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート上の4兆5,000億ドルの保有資産をいつ/どのように削減していくかについて本格的な議論が行われた点で注目を集めました。また、株式市場が割高かどうかや、市場参加者の所得税改革に対する期待が行き過ぎではないかといった点に関しても言及されていました。地区連銀経済報告(ベージュブック)では、12地区全てで経済活動が拡大、半数の地区で信用状況が改善、特定の地域や業種で労働市場の逼迫が続いていることが報告されました。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は景気刺激策の見直しは時期尚早と述べ、(米国とは景気サイクル上で異なる段階にあることを説明し)、ECBは現在の政策運営方針を維持するが、欧州景気は力強さを増しているとの見方も示しました。日銀は金利と政策方針を据え置き、2017年度のGDP成長率の予想を前回の1.5%から1.6%に引き上げました。
世界の動きを見ると、テロ事件が続いています。ロシアのサンクトペテルブルクの地下鉄で起きた爆破事件では14人が死亡、スウェーデンのストックホルムではトラックが商業地区で人混みに突っ込んで4名が死亡し、当局はテロ事件と断定しました。エジプトでも「パーム・サンデー」の祝日に2つの教会で爆弾テロが発生し、少なくとも43人が亡くなりました。さらに、パリのシャンゼリゼ通りでもフランス大統領選挙を前に銃撃犯によって警官1人が射殺される事件が発生しました。事件後に実施された選挙の結果、(無所属で以前は投資銀行のロスチャイルドに勤務していた)中道のマクロン氏(得票率23.8%)と極右政党のルペン氏(同21.5%)が5月7日の決選投票に進むことになりました。北朝鮮はトランプ米大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談の前日にミサイル発射(中距離弾道ミサイル)を行い、4月下旬にもミサイル発射を実施したものの、発射直後に爆発しました。トルコのエルドアン大統領は大統領権限を強化する憲法改正の是非を問う国民投票に僅差で勝利し(賛成51.2%)、トルコ株式市場はこの結果を受けて上昇しました。英国のメイ首相は総選挙を早期実施(予定されていた2020年から3年前倒しし、2017年6月8日に実施)する意向を表明しました。EUからの離脱交渉に向けて政権基盤を固めることで自らの交渉力を強化することが狙いです。このニュースが報道された日に英国株式市場は1.7%下落しましたが、ポンドは小幅に上昇しました。
企業の雇用とレイオフ関連では、3月のADP全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は事前予想の17万人増を大幅に上回る26万3,000人増となりました。一方、労働省発表の3月の雇用統計では非農業部門雇用者数は事前予想の17万5,000人増に対して9万8,000人増と予想を大きく下回りました。3月の失業率は2月の4.7%から4.5%に低下しました。2月の求人労働移動調査(JOLTS)によると、求人件数は前月の562万5,000件から574万3,000件に増加しました。Amazon.com(AMZN)は来年にかけて米国内で3万人のパート社員を採用すると発表し、Wal-Mart(WMT)は昨年と今年に入ってからこれまでに実施した大規模な人員削減に続き、今後も海外部門とテクノロジー部門で数百人規模の削減を計画していることを明らかにしました。
米国経済関連では、3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.3となり、サプライ管理協会(ISM)製造業景況指数は57.2と、景気判断の節目である50を大幅に上回りました。3月のサービス業PMIは52.8、ISM非製造業景況指数は55.2でした。3月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.3%上昇、コアPPIは同1.6%の上昇でした。3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇、コアCPIは同2.0%の上昇となりました。2月の建設支出は前年同月比3.0%上昇しました。3月の米自動車販売台数は減少し、General Motors(GM)は1.6%減少、Ford(F)は7.2%減少でした。2月の製造業受注は1.0%増加し、3月の耐久財受注は0.7%増加しました。3月の鉱工業生産指数は0.5%上昇し、設備稼働率は76.1%に上昇しました。輸入は前年同月比4.2%増加し、輸出は同3.6%増加しました。3月の景気先行指数は0.4%上昇し、予想の0.2%上昇を上回りました。2017年第1四半期の雇用コスト指数は前期比0.8%上昇、前年同期比2.4%上昇となりました。2017年第1四半期のGDP成長率(速報値)は前期比0.7%となり、事前予想の1.1%を下回りました。高額商品(自動車など)の消費が減速したことが背景にあります。2016年第4四半期の成長率は2.1%でした(第1四半期の改定値は5月26日、確報値は6月29日に発表予定)。
住宅市場は引き続き総じて好調で、4月のNAHB住宅市場指数は予想を下回ったものの大幅な伸びとなりました。3月の住宅着工件数は予想を下回りましたが、建設許可件数、ならびに新築住宅販売件数は予想を上回りました。FHFA住宅価格指数は0.8%上昇し、2月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で6.9%の上昇となりました。
決算発表は市場の支援材料となりました。一方、減税案や各国の選挙結果も市場を支えたものの、決算発表ほどではありませんでした。本稿執筆時点で、290銘柄(S&P500指数の時価総額の63%に相当)が決算発表を終え、そのうち営業利益見通しを上回ったのは220銘柄(全体の75.9%。過去平均は67%)、下回ったのは48銘柄、予想通りとなったのは22銘柄でした。金融セクター(決算発表シーズンが始まった4月は0.97%安)は本稿執筆時点で51銘柄中41銘柄が予想を上回っています。ヘルスケア・セクター(同1.45%高)は31銘柄中28銘柄が予想を上回りました。情報技術セクター(同2.44%)は36銘柄中31銘柄が予想を上回っており、同セクターに対する期待は高く、S&P500指数に最も大きく寄与すると見込まれています。売上高に関しては、結果はこれまでのところ好調で、289銘柄中186銘柄が予想を上回りました(64.4%)。第1四半期は前年同期比で21.2%増(直近の減収局面は2016年第1四半期頃にボトムを付けました)、前期比で4.1%増と予想されています。法人税改革あるいはリパトリ(海外利益の還流)の行方が不透明な中、企業は踏み込んだ予想を立てにくいようで、ガイダンスは期待を下回ったものの、これは想定通りでした。2017年第2四半期に関するボトムアップの業績予想は月中に0.8%引き下げられましたが、基調の転換というよりノイズによるもので概ね堅調に推移しており、四半期ベースでの過去最高益の更新を示唆しています。下半期の予想も決算発表シーズン開始以降0.1%引き上げられて堅調となっており、四半期および年間での過去最高を示唆しています。現時点では、2018年の見通しはほとんど希望(そして夢)にすぎないため、相場にはほとんど織り込まれていません。
金利は、米国の利上げペースの鈍化が予想されたことから低下し、世界の金利は最低水準付近で推移しました。米国10年国債の4月末の利回りは2.28%で、前月末の2.39%から低下し、2016年末の2.45%を下回りました。米国30年国債の4月末の利回りは2.95%で、前月末の3.01%から低下しました(2016年末は3.07%)。外国為替市場をみると、ユーロは3月末の1ユーロ=1.0656ドルから1.0897ドルに上昇し(同1.0520ドル)、英ポンドは1ポンド=1.2548ドルから1.2951ドルに上昇しました(同1.2345ドル)。円は3月末の1ドル=111.39円から111.54円に下落し(同117.00円)、人民元は3月末の1ドル=6.8866元から6.8940元に下落しました(同6.9448元)。金は1トロイオンス1,269.50ドルで取引を終え、3月末の1,251.60ドルを下回りました(同1,152.00ドル)。原油価格は生産供給を巡る懸念がくすぶる中、3月末の50.85ドルから下落して49.19ドルで取引を終えました(同53.89ドル)。原油価格は値下がりしたものの、米国のガソリン価格は概ね横ばいで、3月末の1ガロン2.315ドルに対し、4月末は2.449ドルとなりました(同2.309ドル)。VIX恐怖指数は大きく変動したものの、4月末は10.82と、3月末の12.37を下回りました(同14.04)。
個別銘柄では、自動車メーカーの時価総額レースが続く中、Tesla(TSLA)の時価総額は最近、Ford(F)の457億ドルを上回る512億ドルとなり、General Motors(GM)の532億ドルに迫りました。電気自動車という新たなテクノロジーに基づくTeslaが、長い歴史を誇る既存企業のGeneral MotorsやFordよりも高い予想PERで評価されていることがその背景にあります。アルミ製品メーカーArconic(ARNC)のクラインフェルト最高経営責任者(CEO)は、株主である米大手ヘッジファンドElliott Managementを率いるシンガー氏に書簡を送った後、辞任しました。この書簡は脅迫じみた内容を含んでいたと報じられています。自動車メーカーのGeneral Motors(GM)は、ベネズエラ政府がベネズエラにある同社の工場を接収したことから、同国での操業を停止して従業員2,700人をレイオフしました。
その他の注目すべきニュースとして、4月もソーシャルメディアの力を見せつけられました。United Continental(UAL)の飛行機から乗客が引きずり降ろされた様子を収めた動画が世界中に拡散したうえ、同社が当初、自己弁護の対応をとったことから、同社に対する非難が殺到しました。同社は12日に謝罪の声明を発表して事態の収拾に乗り出し、この乗客との「和解」が成立しました。ともあれ、ソーシャルメディアによる情報拡散のスピードと影響力は特筆すべきものです。サウジアラビアの国営石油会社AramcoのIPOの準備を進めている関係者は、同社の企業価値が2兆ドルを下回り、約1兆5,000億ドルになるとの見通しを発表しました(AppleとAlphabetの企業価値は1兆4,000億ドル)。
4月のS&P500は、様々な懸念や企業利益が材料として浮上する中、市場が企業業績という基本に立ち返ったことを受けて、上昇しました。3月には相場が足踏みし、同指数は0.04%下落しましたが、その後始まった2017年第1四半期決算は全体的に予想よりもはるかに好調となっています。大手企業では業績が予想を下回る企業も(Goldman(GS)は4月に2.6%下落、International Business Machines(IBM)は同8.0%下落)、上回る企業もありましたが(Alphabet(GOOG/L)は同9.2%上昇、Amazon(AMZN)は同4.3%上昇)、全体的に企業業績は事前予想を大きく上回っただけでなく、ウォール街の投資プロフェッショナルの間でささやかれている非公式な予測(whisper numbers)を上回る企業も数多くありました。業績のポジティブサプライズが地政学的な懸念を圧倒し、S&P500指数は0.91%(配当込みのトータルリターンは1.03%)上昇し、今では政治的変化よりも経済的効果をもたらすと考えられているトランプ・ラリーが持続する結果となりました。同指数の上昇率は年初来では6.49%(配当込みのトータルリターンは7.16%)、2016年11月8日の米大統領選挙以降では11.43%(配当込みのトータルリターンは12.49%)となっています。市場の追い風となったのは所得税改革がスタートしたことです。これにより(預金を通じて)企業口座に資金が増え、その一部が支出に向けられること(さらに、自社株買いと配当を通じて株主に還元されること)が期待されます。
セクター別では、企業決算、ガイダンス、そして事業モデルがセクターのパフォーマンスに影響を与え、リターンのばらつきが拡大しました。4月に月間騰落率がプラスとなったのは11セクターのうち7セクターで、3月の3セクターから増加しました。パフォーマンスが最低となったのは電気通信サービスセクターで、激しい競争が続く中で契約者数の減少が示されたこと(Verizon(VZ、4月は5.8%安)、AT&T(T、同4.6%安))を背景に4月は4.38%下落し、年初来でも9.22%の下落となっています。エネルギーセクターも原油価格の下落が続いたことで2.93%下落し、年初来では10.02%の下落とパフォーマンスは最低となっていますが、発表されたエネルギー企業の決算によると、業績は改善しつつある模様です。パフォーマンスが最高となったのは情報技術セクターで、2.44%上昇し、年初来でも14.90%の上昇となって大統領選後から昨年末にかけての横ばいから持ち直しています。決算が予想を上回ったことに加え、大統領選前にトランプ氏に反対する姿勢を示していた多くのハイテク企業に対して、政府は厳しい姿勢を取らないとの見方が支援材料となりました。注目すべきことにApple(AAPL)の株価は、4月は横ばいでしたが、年初来では24.0%上昇しています。一般消費財セクターは、消費者が支出を拡大しており、税制改革から恩恵を受ける可能性があるとの見方を背景に引き続き好調となり、4月は2.36%上昇し、年初来でも10.64%上昇となっています。ただし、オンライン販売との競争による小売店への圧力は続いています。
銘柄の変動を見ると、値上がりした銘柄数と値下がりした銘柄数の差は3月のマイナスからプラスに戻り、4月は値上がりが280銘柄(平均上昇率は3.99%)と3月の239銘柄(2月は382銘柄)から増加した一方、値下がりは225銘柄(平均下落率は3.74%)と3月の265銘柄(2月は123銘柄)から減少しました。4月は、3月と同様に12銘柄(平均上昇率は13.90%)が10%以上上昇した一方、10%以上下落した銘柄は3月の6銘柄から12銘柄(平均下落率は13.84%)に増加しました。25%以上上昇した銘柄はなく(3月もゼロ)、25%以上下落した銘柄もありませんでした(3月もゼロ)。年初来では、値上がりした銘柄数が値下がりした銘柄数を大幅に上回っているものの、その差は縮小しています。値上がりした銘柄数が345銘柄で(3月末時点では350銘柄)、そのうち176銘柄(同141銘柄)が10%以上、36銘柄(同20銘柄)が25%以上上昇している一方、下落は159銘柄(同154銘柄)で、そのうち49銘柄(同32銘柄)が10%以上、4銘柄(同4銘柄)が25%以上下落しています。市場のボラティリティは上昇したものの、過去の水準からみれば引き続き非常に落ち着いた水準にとどまりました(必ずしも常にそのように感じられたわけではありませんが)。出来高は前月比4%減となった3月から2%減少し、引き続き過去1年間の平均を6%、過去5年間の平均を3%下回りました。月中の高値と安値の差で見た変動率は3月の3.39%から4月は2.97%に低下し、過去1年間の平均の3.91%を下回るとともに、過去5年間の平均の5.36%よりも大幅に低い水準となりました。昨年11月8日の大統領選以降では、値上がりした銘柄数が402銘柄、値下がりした銘柄数が103銘柄で、11セクターのうち10セクターが上昇しています(エネルギーセクターは2.26%下落)。
[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト
このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはこちらをご参照ください。
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