新家工[東1](7305)が高値更新、兄弟会社に市場の関心向かう

投稿:2017/03/06 11:13

 新家工[東1](7305)は、3日に184円(+8円)で3連騰し、2月17日につけた昨年来の高値179円を更新しました。

 森永菓[東1](2201)と森永乳[東1](2264)の経営統合で、同社株に思惑買いが入っています。

 新家工[東1](7305)、は1903年(明治36年)に初代新家熊吉が石川県山中町においてわが国初の自転車用木製リムの製造を開始し、続いて1915年(大正4年)には金属製リムの製造に成功、現在の「アラヤリム」の基礎を築いたと同社の「会社沿革」に記されています。

 初代熊吉亡きあと、二代目熊吉を襲名した三代次は、新家自転車㈱の社長に就任した後、国内の生産工場を拡大させ鉄製リムの圧倒的シェアを維持。

 昭和8年当時、自転車の国産化が進む中において、チェーンの国産化は遅れていたため、国産化気運が高まる日本の「国益に沿った事業展開を行う」べく、二代目熊吉は高性能チェーンの製造を決意し、当社の前身である「国益チエン㈱」を設立。

 時代の潮流を敏感に感じ取りながら、「大同チエン㈱」そして「大同工業株式会社」へと会社規模の拡大に際して、二代目熊吉は取締役社長として絶大な統率力を発揮する傍ら、初代加賀市長にも就任し、市政に大きく貢献したと大同工[東1](6373)の「会社沿革」に記されているとおり、両社の袂は同じです。

 昔の四季報では兄弟会社と記していたと記憶していますが、株主構成を見れば、北國銀行と大同生命、加賀商工が名を連ねていますし、両社にも経営統合に進むとの思惑が増幅したと言えます。

 地方銀行の再編に絡んだ事情があるとすれば、メインバンクが同じでかつ他の株主も同じであれば、経営統合もしやすいとの市場は見ていると思われます。

 加えて両社株には、海外のバリュ―株ファンドである、DFA International Small Cap Value PortとDFA International Core Equity Portfolioが保有していることが注目されます。

 新家工[東1](7305)は一株純資産は362円ほどあり、大同工[東1](6373)は同398円あり、両社株とも低PBRですし、二人三脚で上昇する素地はあると言えそうです。

●関連記事

不二家[東1](2211)は三角保ち合いを形成、森永製菓と森永乳業が経営統合へ(2017年2月27日)
https://money.minkabu.jp/60534

大同工は高値圏で頑強、超小型EV「FOMMコンセプトOne」のフレーム手掛ける(2016年12月1日)
https://money.minkabu.jp/59013

※このコラムでは、表面的な材料のほか、特に需給を作用する株主との関係に着目してコメントしています。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

リンク記事:トリケミカル[JQ](4369)が連日上場来高値、カリスマ投資家の取得で上昇に弾み(2016年3月31日)
リンク先:https://money.minkabu.jp/55136

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

■トリケミカル[JQ](4369)
1130円紹介(2016/3/31)→2547円(2016/10/26)まで上昇

 今後も投資に役立つ視点で投稿していきますので、是非注目して下さい。
 
7305_170306
 

配信元: みんかぶ株式コラム