このところロック・フィールド(2910)の業績が好調です。同社は1990年代にデパ地下惣菜で高成長を遂げましたが、同社の成功を見た多くの企業が次々と同市場に参入してきました。上場企業でも柿安本店、カネ美食品、ケンコーマヨネーズなどがあります。
同社は1990年代の高成長で、1990年代末に24億円の営業利益を上げるまでに至りました。しかし、それ以来17年もの間、営業利益で25億円の壁を越えられずに推移してしまいました。これらライバルの参入、躍進期の負の遺産処理、百貨店の相次ぐ閉店などにより収益停滞局面を迎えたためです。
しかし、結局は同社のブランド価値の前にライバル企業は次々と白旗を掲げ、攻勢の力が弱まってきました。上記のような後発企業の多くは華々しくデパ地下惣菜への参入を打ち出したものの、同社の模倣から抜け切れず、いずれも拡大戦略にとん挫しています。
それと並行して同社サイドでも過去の負の遺産であったオフィスビルや路面での展開事業に整理がついています。また昨今、百貨店の撤退が相次いでいますが、むしろ無理な拡大政策を採らず、商品力に磨きをかけた結果、既存店が順調に推移しています。
結果的に同社では17年前の最高益水準を大きくは超えられずにこの17年間を無為に過ごしてしまったのですが、既存店月次の推移を見る限りは、今期にはいよいよ大きく最高益を更新する見込みとなっています。
同社株は高成長期の1990年代末に高株価を達成したため、なかなかバリュエーションが下げ切らず、やや高止まりしていましたが、このところの収益拡大によっていよいよバリュエーションでも妥当な水準まで下がってきました。その意味では10数年ぶりに投資の好機が訪れたのではないかと考えられます。
なお、同社の詳細な分析レポートがこちらから入手できます。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/975
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