大成建[東1](1801)が連日高値、物色の範囲が拡がるか注目に

投稿:2016/05/19 10:22

 5月18日に大成建[東1](1801)、松井建[東1](1810)、五洋建[東1](1893)が年初来の高値を更新しました。そのほか、構造計[JQ](4748)、小野建[東1](7414)などが高値を更新しました。

 消費増税先送り、5月26・27日のサミット前後には財政出動はほぼ既定路線との見方が大勢で建設株に物色の矛先が向かっています。

 熊本地震からの復興に向けた2016年度補正予算が17日夕の参院本会議で、与野党の賛成により可決、成立した。予算規模は7780億円。余震が続いていることを勘案して7000億円は具体的な使途を定めず、状況に応じて利用できる予備費として計上すると伝わっていましたので、復興工事の受注に対する期待感の高まる銘柄や工事に伴う建設資材等の需要が見込まれる銘柄が上昇しています。

 大成建[東1](1801)は、今期営業利益は1000億円(前期比14.9%減)と減益見込みですが、中期経営計画の最終年度18年3月期営業利益は960億円から1150億円に上方修正、自社株買い3000万株(2.56%相当)・200億円上限に5月16日から9月30日まで実施する予定も下支え、24か月移動平均線(703円)をサポートラインに上昇基調を強めています。

 松井建[東1](1810)は、前3月期業績を上方修正したため、今期は減益見込みとなる見込みですが、四季報の従来予想に対する増益観測を上回る見通しのほか、熊本城や阿蘇神社といった需要文化財の復元・修復工事の受注が期待されています。

 五洋建[東1](1893)は、連続最高益更新、連続増配見通しのほか、同じマリコンの東亜建(東1:1885)が羽田空港の地盤工事でデータ改ざんが判明したことから、今後五洋建に地盤工事の受注が増加するとの思惑も増幅しています。

 構造計(JQ:4748)は、熊本城や阿蘇神社といった需要文化財の耐震改修、構造設計コンサルティング業務の受注が期待されています。また、ドローンソリューション&技術展への出展などを材料視されています。ドローンが熊本地震の災害状況を鮮明な画像で撮し、その様子がテレビで放映されましたので、ドローンへの関心が高まっています。

 小野建[東1](7414)は、北九州市本社の鋼材、建設機材の専門商社で、熊本地震の復旧工事で需要が増加するとの思惑が高まっています。

 ※北九州地盤の若築建[東1](1888)をはじめ、西電工[東1](1937)や鹿児島市本社のコーアツ工[東2](1743)、福岡市本社の富士P.S[東2](1848)、熊本市本社の西シス建[東2](1933)とヤマックス[JQ](5285)などへ物色の範囲が拡がるか、市場の関心を集めそうです。
 
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配信元: みんかぶ株式コラム