TPP協定の署名もクボタが安値更新、為替相場次第の動きへ
クボタ[東1](6326)は、前週5日に一時1530.5円(-56.5円)と売られ1月21日につけた昨年来の安値1540円を更新しました。
環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する日米など12カ国は4日、ニュージーランド(NZ)のオークランドで協定の署名式を行った。昨年10月に大筋合意した協定文が確定し、発効に向けた議会承認などの国内手続きが本格化しますが、これまでTPP関連として買われてきた同社株が売られました。
米モンサント社から遺伝子組換え作物(GM作物)が日本国内に大量に輸入されると観測されていますから、TPPがアメリカの多国籍企業を儲けさせるための貿易協定であることが改めて懸念されたと思われます。
日本の食糧自給率は、現在カロリーベースで39%で、TPPが発効すると、いずれ12~30%に低下すると試算されていますが、政府は5日の国家戦略特区諮問会議で、企業が農地を実質的に保有できるよう農業生産法人の出資比率を50%以上に引き上げることを再検討する方針を確認しました。TPPの発効を見据え、企業が農業に参入しやすくして農業の競争力を高める狙いとしています。
円安に推移していれば、日本から海外への農作物の輸出に期待が高まると思われますが、果たしてモンサントのGM作物がなだれ込んでくる前に、手を打てるのか、円高に推移すれば、米モンサント社のGM作物が日本国内へなだれ込んでくるとの不安心理が早くも増幅しているようです。
クボタ株は、9か月移動平均線が上値抵抗線となり、24か月移動平均線を割り込んでいますので、TPP発効に対する期待相場は終焉し、当面は為替相場次第で、方向感に乏しい展開が続きそうです。
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