特種東海[東1](3708)は、業界再編思惑などから上値追い鮮明に
10月23日、特種東海[東1](3708)は、4円高の378円と3営業日続伸、8円高の382円と買われ16日につけた年初来の高値を更新し堅調。
10月7日に同社と日本製紙[東1](3863)が、段ボール原紙および重袋用・一般両更クラフト紙事業で提携することで基本合意と発表したことが買い手掛かり。
2016年10月をめどに両社で段ボール原紙と米袋や紙袋に使うクラフト紙の販売部門を統合し、新会社を設立。日本製紙が50%超66.6%以下の出資比率とする。一方、生産面では特種東海が主力の島田工場(静岡県)を分社化します。分社した生産子会社に日本製紙が33.4%以上50%未満の比率で出資する予定です。
両社合算で段ボール原紙のシェアは20%まで高まる見通しで、両社は家庭紙や特殊紙の分野でも提携することを視野に入れているようですが、三菱商事が特殊東海株を1380万株(8.4%)保有していますので、どのように事業再編が進むのか市場の関心が向かいます。
また、特種東海はリニア中央新幹線建設で恩恵を受けることも好材料とし受け止められています。同社の社有林の地下をリニア中央新幹線が通るため、工事用地の賃貸料などが発生することが業績に寄与する見通しです。
加えて、黒すかし技術、新スレッド挿入技術等を用いた製品を投入し、2020年東京オリンピックでの採用に向けた新規要素技術の開発をはじめとしたセキュリティー用紙の拡大を見込んでいるほか、リチウムイオン二次電池用セパレータ(絶縁体)の開発に成功し、ユーザー十数社を対象に試作品を提供。(株)アトックスと共同開発したストロンチウム吸着フィルターを福島第1原発への導入を目指していることが大きな期待材料と目されています。
短期では5日移動平均線、中期では26週移動平均線、長期では9か月移動平均線がサポートしており、上昇トレンドを継続しています。11月13日に予定される今3月期第2四半期決算の発表を目安に上昇基調を強める可能性はあります。
一株純資産は439円ほどありますから、2007年6月19日につけた上場来高値394円奪回から本当の意味での青空相場入りとなるか注目されそうです。
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