Q:TPA理論について、質問します。
「TPA理論で導かれる最も効率的な運用、すなわち、時間効率的に最大の値幅を確保する運用は、時間制限のある(投機的)売買が完結しつつあるのを見極めることで得られる。このことは、相場の行き過ぎからの反転を見極めること、『谷越えを待って買い』、『山越えを待って売る』ことを意味する。」
このメッセージの意味するところは、オーバーシュートの戻りを狙いなさいということでしょうか。つまり、オーバーシュートの発生を捉えることは難しく、発生したオーバーシュートを見極めて、戻りを取れる手法を考えなさい、ということでしょうか。
発生を捉えようとすると、時期によっては失敗するエントリーばかりが増えてしまうこともあると思います。また、オーバーシュートの発生の直後は流動性が低い場合もあります。また、途中からではいつ反転するかも見えませんし、どこまで伸びるかわかりません。
TPA理論は、このような理解で正しいでしょうか。
A:概ね、その通りです。確認のために追記します。
ファンダメンタル分析は、投資物件の分析ですが、主に(量的な制限はあるが)時間的な制限が緩い投資資金に関与します。そこで、「私には1年後の株価は分かるが、明日の株価は分からない」と、豪語するようなファンドマネージャーが出てきます。
しかし、トレンドを取るそのような運用では、上げ幅を全部取ったところで、年間10~20%のリターンが限界です。下げれば、その分やられるような運用です。
一方、毎日1%の上下動(ボラティリティ)があれば、それだけでも年間250%の収益機会があります。どちらを狙うのが、時間効率的に最大の値幅を確保する運用かは明らかです。そういったボラティリティは、ファンダメンタル分析では扱いません。そこで、ファンドマネージャーたちは、ボラティリティをリスクとして、避けようとします。
ところが、市場には、投資資金の他に、より大きな金額を扱う投機資金がいます。「買ったものは必ず売り戻す。売ったものは必ず買い戻す。」という投機資金の性格を理解すれば、市場価格は大なり小なりのオーバーシュートを常に繰り返していることが分かります。買い過ぎては売り戻し、売り過ぎては買い戻すのです。
相場の行き過ぎからの反転を見極めるとは、買い過ぎたポジションを売り戻すところから始まります。やがて、追随売りなどが出て、市場はニュートラルとなり、その後、売り過ぎに偏ります。そして、売り過ぎたポジションを買い戻すのです。相場はその繰り返しです。
つまり、オーバーシュートの戻りとは、やがて反対方向のオーバーシュートに至る発生の芽だと言えます。上手く捉えれば、時間効率的に最大の値幅が確保できるのです。
相場はそういった波動を繰り返しますので、谷越え確認、山越え確認の転換点の見極めの精度が高まるにつれ、確保できる値幅が広がります。これは道理です。
その道理が分かれば、転換点の見極めに全精力を傾けるのが、収益を拡大する最も近道だということが分かります。無理は通りません。
私自身は、「相場観という、いわば煩悩」に支配されて、分かっていながら途中で入るという無理を繰り返しています。
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