稀元素は排ガス規制、燃料電池関連などの切り口から注目
稀元素[東2](4082)は、10月2日に300円高の4945円と急反発しました。
独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を端に発して、排ガス規制が強化されるとの思惑から買いが継続している。排ガス浄化触媒向けに同社が手掛けているジルコニウム粉末の需要が増加するとの期待感が先行している。
また、9月30日付の日経産業新聞が二酸化炭素(CO2)を排出しない夢のエネルギー「水素」について掲載し、水素の老舗として先導役を務めるのが岩谷産業と取り上げたほか、ホンダ[東1](7267)が16年3月に同社初となる量産型の燃料電池車(FCV)を発売する方針を明らかにし、10月末に開幕する東京モーターショーで新型FCVが一般公開されることを受け、関連銘柄として見直された面があります。
稀元素は岩谷産業が17万株(3.5%)保有している第4位の株主で、固体酸化物型燃料電池(SOFC)向けにジルコニウム粉末の需要が増加するとの期待感から、岩谷産業との提携強化も視野に入ると思われます。
このほか、自動車向けではETC、カーナビゲーションシステム、カーオーディオ、障害物感知センサー向けにジルコニウム粉末が使われていることも注目に値します。
同社では既存市場確保と新規開発品獲得し、8年後にはジルコニウム粉末の供給量を2倍へ増やす計画で中長期の成長が見込まれます。
今3月期業績予想は増収減益の見通しですが、第1四半期増収増益着地で通期業績予想を上方修正済み。今期予想PER9倍台と割安感があります。
チャート的には、日足では25日移動平均線(4145円)がサポートする形で、もみ合いを上放れした後、高値保ち合いとなっています。昨年11月高値5340円抜けとなるか注目されそうです。
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