最高値更新も視界に!
好調な業績を支えるマリン事業
前14年12月期に全事業部門で増収増益を達成、コンセンサス予測を上回る業績を上げ、市場の注目を集めたヤマハ発動機。国内では半世紀ぶり、9社目となる四輪車事業への参入がささやかれるなど、将来の事業拡大に向けた明るい材料もあり、足元の株価も7年ぶりに3万円台を突破。いよいよ2007年1月につけた高値更新も視野に入ってきた。
今期以降も、二輪車で続々と世界戦略車が登場し、新たなカテゴリーへの挑戦となる三輪バイク「TRICITY」も好調と、つい数年前に大幅減収に苦しんでいたのが嘘のような視界良好ぶりだ。
そして、現在の同社躍進の原動力となっているのが、船外機やウォータービークルなどのマリン事業だ。売上高こそ、全体で1兆5212億円(前14年12月期実績)の18.2%を占めるに過ぎないが、営業利益では全体872億円(同)の52.5%に当たる458億円を稼ぎ、完全に同社の主力事業と言えるまでに成長しているのだ。
半世紀に渡り世界市場開拓
同社のマリン事業の歴史は意外に古く、欧米諸国で人々に水上レジャーが浸透しているのを目の当たりにした創業者・川上源一氏の肝いりで初の船外機が製品化されたのは1960年だった。
その後、しばらくは先行する欧米メーカーを追いかける立場だったが、創業以来の同社のアイデンティティーである“需要創造”活動によって世界各地で地道に市場を開拓。
1980年代以降は最大市場のアメリカで2ストローク船外機がヒット。さらに1990年代の世界的な排ガス規制導入によって、同社の環境対応技術が評価されたこともあり、次第に「YAMAHA」ブランドを確立していった。
現在の同社は、マリン分野でも世界トップ企業の一角を占めている。特にここ数年の事業成長は急で、毎年売上高2ケタ増を続けている。同社では世界のマリン市場を3兆円規模と試算し、その1割に当たる売上3000億円の早期達成を目標に掲げているが、北米市場向けの4ストローク大型船外機投入などもあり、今期達成も不可能ではない。
二輪車メーカーとして知られるヤマハ発動機だが、現在の同社は、高収益モデルを確立したマリン事業というもう一つの強力な柱がある。同社への投資戦略では、この点を見逃してはならない。
国際ボートショーでのヤマハブースの様子
※株価は20日終値
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