小次郎講師のRSI(相対力指数)解説その4、「買われすぎ、売られすぎに騙されるな!」

投稿:2014/06/17 19:03

「コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第50回、そして第2部第4回!


□皆さん、こんにちは、小次郎講師です。本日はRSIの4回目。連載50回記念&本出版記念というWおめでた記念の回となった。


■助手のムサシです。よろしくお願いします。おめでとうございます。この本ですね。

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□ダイヤモンド社から1600円で絶賛発売中!タイトルは商品先物取引入門だが、内容はチャート分析の話なので、株式投資家にもFX投資家にも役立つ。

■要はみんな買ってくれと。

□ま、そういうこと。

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□さて、RSIの買いサイン・売りサインに関して話をしていた。いいかな?

■「RSIの真実探求」とかいう壮大なテーマでした。

1.「買われすぎ・売られすぎ」は誤解を招く

基本的にオシレーター系のテクニカル指標を「買われすぎ売られすぎを示す」指標と思っている方は甘ちゃんだ。

■甘ちゃん!?でもどこの本見てもそう書いていますよ。

□それがたちが悪い。

■じゃあ、間違いだと。

□間違いとまでは言わない。この連載は最近影響力が出てきたので、言葉に気をつけなければいけない。「誤解をさせる」と言っておこう。

■たとえば、RSIを「70%以上だから買われすぎ=売りサイン、30%以下だから売られすぎ=買いサイン」と思うのは誤解だと。

□そういうふうに公式のようにとらえるならそれは正しくない。さて、小次郎講師流のテクニカル分析の勉強の仕方をもういちど確認しておくぞ。

1、 計算式を覚える。
2、 計算式の意味を理解する。
3、 その計算式からその指標がどこを見ているかを理解する。
4、 買いサイン・売りサインを学ぶ。
5、 それが何故買いサインなのか、何故売りサインなのかを理解する。

■耳にたこができています。

□それでようやく身につく。耳のたこを大切にせよ。
ではこれに添って説明するぞ。
まず、「1、RSIの計算式」、これはいいな。

■やったばかりですから大丈夫です。

「2、計算式の意味」、過去14日間の値動きの中で上昇分が何パーセントか?ってことだ。「3、この指標が見ているのは?」、14日間の値動きの中で買い方の勢力がどれくらい優勢かを見ている。・・・ここまでいいかな?

■ばっちりです。

□ということは「50%以上は買い方優勢、50%以下は売り方優勢」。誰でもわかる。

■ですね。そして数値が大きいほど買い方の勢いは強く、数値が小さいほど売り方の勢いが強い、でしたね?

RSIにおいては70以上というと相当買い方優勢、30%以下だと相当売り方優勢ということも勉強した。これも頭に入れておいてほしい。

■なるほど。RSIはストキャスと違って大きな数値(100に近い数値)、小さな数値(0に近い数値)を付けにくい指標でしたからね。

□ここまでが復習。ここからが本番。大事だからよく聞いておくように。

■はい。

2,RSIが買われすぎとなるとき

□だから当然、70以上(=買い方が圧倒的優勢)ということは上昇トレンドが勢いづいていることを示すのだけど、唯一最終局面においては、買い方が圧倒的優勢のうちに上昇トレンドが終わることがある。下げトレンドにおいても同じ、売り方が圧倒的優勢のうちに下降トレンドが終わることがある。

■え?そうなんですか?

□RSIで、70以上が売りサイン、30以下が買いサインとなるのはその局面なら正解。下のチャートを見てご覧。RSIが70以上の場面と30以下の場面に〇をつけているが、ほとんどがそれを「買われすぎ・売られすぎ」と見ると、はずれている。但し、上昇トレンドの最後に出た70以上は見事に当たっている。よく見ると踏み上げ(売り方の総手じまいによる上げ)であることがわかる。

★図

■なるほど。上げ相場は「踏み」が出てくればおしまい、下げ相場は「投げ」が出たらおしまいなんですね。


・「踏み」・・・売り方がマイナスになって全てを決済すること。
・「投げ」・・・買い方がマイナスになって全てを決済すること。

□そういうこと。
ということで結論。RSIが70以上が売り、30以下が買いというのが有効なのはトレンドの最終局面のみ。

【RSIの真実】
RSIで「70以上が売り、30以下が買い」というのが有効なのはトレンドの最終局面のみ

3,RSIの少しましな解説と正しい解説

□最近はRSIの説明も少し洗練してきて、次のような説明を見かけるようになった。

【RSIの売買サイン】
70を超えていたRSIが70を割り込んで来たら売りサイン。
30を下回っていたRSIが30を超えてきたら買いサイン。

■これはどうなんですか?

□今までのものよりはダマシが少なくなった。そして非常にいいタイミングで仕掛けられるものもある。この図を見てご覧。

★図

■なるほど、上図の◎のところを見ると天井で売って底で買うことが出来てますね。

□しかし、これでもまだまだダマシがある。×のところがあるだろ。あそこがダマシ。

■では講師、RSIの数値が大きい局面(=70以上)、小さい局面(=30以下)はどうとらえればいいんですか?

□RSIの計算式から導き出せる本質をよく理解すると次のように言える。70以上は買い方が大変優勢な状況。しかし、偏り過ぎていると修正が出てくるのではないかという用心も必要。30以下は売り方が大変優勢な状況。しかし、これまた偏り過ぎているとその修正が出てくるのではないかという注意が必要。つまり、これらの数値は注意信号。注意信号と売買サインを混同してはいけない。

RSIの70以上
・圧倒的買い方優勢。しかしそろそろ利食いによる一時的修正安が出てきてもおかしくないので注意すべき。
RSIの30以下
・圧倒的売り方優勢。しかしそろそろ利食いによる一時的な修正高が出てきてもおかしくないので注意すべき。

■なるほど、70以上だから売りを仕掛けよう、ではなくて、上がりが急激だから利益確定の売りで修正安になりやすいよ。ちょっと注意しようねということなんですね。30以下はその逆。

□そのとおり。ようやくRSIの本質がわかってきたようじゃないか。そしてトレンドの最後ではその注意信号が本格的なトレンド転換につながる。

■ようやく、霧が晴れてきた想いです。長年の謎が解けました。

4,ダイバージェンスの秘密

□続いてダイバージェンスの説明。ダイバージェンスはオシレーター系の指標ならほとんどの指標で聞く用語。ちょっと説明してごらん。

■えーと、確か、価格ウェイブが上昇しているのに、オシレーターのウェイブが下降しているとか、価格ウェイブが下降しているのに、オシレーターのウェイブが上昇しているなど、不一致になったときはトレンド転換のサイン。・・・でしたっけ?

□80点かな。
上昇トレンドのときは価格(ロウソク足)のウェイブの天井をつなぐ。オシレーターも同様に天井をつなぐ。その天井をつないだ線がロウソク足では上昇しているのにオシレーターでは下降していたら、それは天井うちが近いのではと用心する。

■用心するんですね。

下降トレンドのときは価格(ロウソク足)のウェイブの底をつなぐ、オシレーターも同様に底をつなぐ。その底をつないだ線がロウソク足では下降しているのにオシレーターでは上昇しているとしたら、それは底うちが近いのではと用心する。

■最近、よく使われるようになりましたね。ストキャスや、他のオシレーター系指標でもダイバージェンシー、よく聞きます。

□だね。だが、いろいろなところでよく聞くというのと、きちんと使えるというのでは全然違う。何故ダイバージェンシーが起こるのか?ダイバージェンシーが起こっているとき、価格変動がどうなっているのかを見極めなくてはいけない。

■なるほど。そんなこと考えたことがなかったです。単にダイバージェンシーだからトレンド転換の兆しだとしか。

□だから、使いこなせないんだよ。そこを知ることこそがダイバージェンシーを活用するための大前提なのだから。

■そうなんですね。講師ではあらためて、そこんとこ教えてください。

□甘―い!何でも人から教わろうという態度がもう駄目だ。どうして自分で考えようとしない。

■そんなこと言ったって、今まで考えたことがないんですから、急には考えられませんよ。

□それを考える訓練をしようというのが今回のメインテーマ。ということで、本日はここまで。次回までの宿題、「何故ダイバージェンスはトレンド転換を予兆するのか?」

■急にお腹が・・・・。入院するかも。

□調子のいいやつだ。読者の皆さんも一緒に考えて。考えることに意義があるのでね。

■了解です。他の人に負けるわけにはいかない。

□ということで、また次回だ。

今日のまとめ

・RSIを「70%以上だから買われすぎ=売りサイン、30%以下だから売られすぎ=買いサイン」と思うのは誤解
「50%以上は買い方優勢、50%以下は売り方優勢」
数値が大きいほど買い方の勢いは強く、数値が小さいほど売り方の勢いが強い
ということは70以上というと相当買い方優勢、30%以下だと相当売り方優勢。
・上げ相場は「踏み」が出てくればおしまい、下げ相場は「投げ」が出たらおしまい

・【RSIの少しましな売買サイン】
70を超えていたRSIが70を割り込んで来たら売りサイン。30を下回っていたRSIが30を超えてきたら買いサイン。

・【RSIの正しい理解】
・70以上は買い方が大変優勢な状況。しかし、偏り過ぎていると修正が出てくるのではないかという用心も必要。30以下は売り方が大変優勢な状況。しかし、これまた偏り過ぎているとその修正が出てくるのではないかという注意が必要。つまり、これらの数値は注意信号

・ダイバージェンシーとは・・・上昇トレンドのときは価格(ロウソク足)のウェイブの天井をつなぐ。オシレーターも同様に天井をつなぐ。その天井をつないだ線がロウソク足では上昇しているのにオシレーターでは下降していたら、それは天井うちが近いのではと用心する。下降トレンドのときは価格(ロウソク足)のウェイブの底をつなぐ、オシレーターも同様に底をつなぐ。その底をつないだ線がロウソク足では下降しているのにオシレーターでは上昇しているとしたら、それは底うちが近いのではと用心する。
・何故ダイバージェンシーが起こるのか?ダイバージェンシーが起こっているとき、価格変動がどうなっているのかを見極めなくてはいけない。

□第2部第4回講義終了。

■「起立、礼!」

□本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。
本日の単位数2  累計単位数8
中級テクニシャンまで後92単位!

配信元: みんかぶ株式コラム