株式投資は“大航海”と同じ。投資家の“コンパス”目指し、金融キャリア40年で培った市場観察眼で投資助言を積極展開!

投稿:2014/06/06 14:25

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SQIジャパン
金融コンサルタント
小野山功(おのやま・いさお)

1962年、山一證券入社。同社で投信販売や法人営業などに従事。山一證券廃業後、アリコ・ジャパンで保険営業、東京スター銀行で投信窓口販売事業の立ち上げなどに携わる。2013年よりSQIジャパンに所属。金融コンサルタントとして、「YAHOO! ファイナンス」「みんなの株式」など各メディアで活躍。業界40年のキャリアを活かした冷静な市場観察眼による卓抜なオピニオンには定評がある。
 

 14000円台で膠着する日経平均株価。昨年まで大成功を収めたアベノミクスの効力は失われてしまったのか?
 先行きの見通しづらい相場状況の中で、全国の個人投資家達は、どのような尺度で株式投資をしていけばいいのだろうか。本稿では、金融業界40年のキャリアを元に、奥深い企業観察眼によって各メディアで注目を集めているSQIジャパン・金融コンサルタントの小野山功氏を直撃。自身の長年の金融キャリアによって培われた投資哲学を語ってもらった。

 

──SQIジャパンの金融アナリストとして、「みんなの株式」はもちろん、「YAHOO! 株価予想」などでもお馴染みの小野山さんですが、改めて金融業界でのご自身のキャリアについて、お話しください。

 1962年に山一證券に入社したのですが、まず配属されたのは投資信託販売の専門会社でした。ここで約10年勤めましたが、この間、現物株は扱ったことが無かったんです。
 山一本体に戻ってからは、主に各地の支店で法人営業に携わりました。ここで、個人投資家の皆さんとはまた違うお客様と接することができたのが、私にとっては非常に勉強になりましたね。地銀や信金、信組といった地域の金融機関が私の主な担当だったのですが、そうした金融機関の資金部長ともなれば皆さんプロフェッショナルで、私達よりよほど金融知識が深い。だから営業すると言っても、こちらがお客様に教えるというよりは、お客さまから学んだことの方が多かったですね。
 当時は「法人の山一」という言葉が浸透していたように、山一證券の法人営業には定評があった。その中にいたから、私も一流のお客様の相手をすることができたのでしょう。
 その後転勤で投資信託部へ配属となりました。支店勤務から初の本社勤務を経験しました。外資系運用会社との交流も経験でき、新しい経験となりました。これから証券会社として投資信託をどう普及していくかと頑張っていたところで、ご存知の通りの経営破たんが訪れた、ということです。

──「YAHOO! 株価予想」への投稿記事などを拝見していると、勝率もあることながら、個別銘柄の分析が深いので、現物株を扱う、いわゆる証券会社らしいキャリアが長いのではと考えていました。ですが、主に投資信託に携われていたのですね。

 そうなんです。実は現物株を中心とした証券外交などの経験は無いのです。どちらかというと、お客様の資産運用をアドバイスしたり、金融商品の啓蒙やスタッフ教育をしたり、といったことがキャリアの中心でした。山一が破たんしてから3年半はアリコ・ジャパンで保険の販売もしていたんですよ。その後の東京スター銀行では、投信の窓口販売の立ち上げに携わりましたし、いわゆる証券マンらしいキャリアでは無いですが、證券、保険、銀行と金融業を総ナメにした人間は、なかなかいないのではないかと(笑)。65年の日銀特融も合わせれば2度の経営破たんも経験していますし(笑)。


──証券会社でキャリアを積みながら、独自のキャリアを積まれている小野山さんだからこそ、単に株価の上げ下げだけではない、バランス感覚のある銘柄分析ができる、ということですね。では現在のお立場である、SQIジャパンの金融コンサルタントに就任されたのは、どのような理由なのでしょうか。

Photo01 私はこれまで、高度経済成長からバブル崩壊、そして失われた20年と、激動の金融業界に身を置き、これまで様々な経験を積むことができました。こんな私のこれまでの経験が、誰かに役立つならこれほど嬉しいことはありません。
 一方、現在の社会を見渡すと、インターネットの普及によって新しい投資家層が育ってきています。そんな中、証券業界の社会的な意義も大きく変わってきました。昔の個人投資家達は証券会社に“予想屋”を期待していましたが、私が思うに、今の新しい投資家達は、自分たちの生活向上のために、金融や投資のリテラシーを高めたい。そのために純粋に勉強をする機会が欲しいと考えている方が増えているのではないでしょうか。
 ですが現在は、ネットが普及して、様々な情報が多くの人びとに届くようになったのはいいけど、反面、情報が氾濫し過ぎていているようにも思います。知識を得ようにも、あまりに情報が多すぎて、正確な情報を得ることが難しくなっているのではないか。
 そんなことを考えている時にSQIジャパンに出会ったのです。特に共感したのは、秋山代表の「皆様のコンパスとなりたい」という企業理念です。株式投資を人生の“大航海”に例え、相場の“荒波”を共に乗り切ることを目的に、事業を展開しているという。
 私は登山が趣味で、これまでに海外の山にも登ってきましたが、この言葉は非常に納得できる。どんなに熟練な登山家でも、どんなに小さな無名の山でも、登山には地形図とコンパスが必要です。コンパスを見ながら、リーダーのもと、メンバーが皆で考え、力を合わせながら進むから登頂することができるし、その時の達成感も大きい。
 確かに株式投資も一緒なんです。雪の日もあれば風の日もある。そんな中、危険な崖を避け、深い藪にはまらないように進めなければならない。こうした理念を持っている会社だから、私のキャリアを生かすことができるのではないかと考えたんです。
 推奨銘柄の選定や情報発信は、SQIジャパンのアナリストたちとともに議論しながら決めていくのですが、これが私には非常に新鮮で、学ぶところも多いんです。私の投資のスタンスは、基本的にはグローバル・アセット・アロケーションに基づくリスク分散。セクターに偏ることもなく、ファンダメンタル、実需、事業の成長性はもとより、株式、投信、国債、通貨など動向にも注意しながら投資判断をしますが、スタッフたちが自分なりの視点で懸命に分析した銘柄には、私が気づかなかった点を気づかされることも少なくありません。


──なるほど、「大航海のためのコンパス」ですか。非常に説得力のある言葉ですね。確かにSQIジャパンの情報のクオリティの高さは、数ある投資顧問会社の中でも定評があります。ところで小野山さんは、日本の証券市場、投資環境の現状をどのように捉えていますか。1万4000円台で膠着する相場が続き、アベノミクスも正念場を迎えている、との見方も少なくありませんが。

 現在の市況については、意見が分かれるところですが、私個人はそれほど悲観していません。消費増税の影響云々が言われていますが、街角を観察する限り、5月になってもデパートには人が溢れているし、賃金アップも伝えられ、企業業績は確実に改善しています。
 今年前半、相場の足を引っ張ったと見られている海外の投資家の動向についても、それほど過敏になることは無いのではないでしょうか。ウクライナ情勢など一部にリスク要因があっても、世界経済は総じて上昇基調にあります。何といってもアメリカ経済が好調なことは大きいのです。
 とは言え、投資家の皆さんが弱気になるのはやむを得ないとも思うんです。古今東西、相場が上がれば皆が強気になるし、下がれば弱気になるものです。でももう少し、長期的な視点で見れば、また違った見方ができるのでは。少なくとも東京五輪までは上昇トレンドが続くでしょうし、膠着しているという現在の相場でも、日経平均を見るからそうなのであって、銘柄ごとに観察すれば、上昇している銘柄も少なくありません。それほど悲観的になることはないのです。

──では最後に、全国の個人投資家の方々に向け、投資のプロフェッショナルとしてアドバイス、メッセージをお伝えください。

 投資家の皆さんにまず、お勧めしたいのは自分の資産管理状況が一目でわかる一覧表を作成することです。3ヶ月決算ぐらいで、株式だけでなく債券や預貯金などを含めて、自分のアセット・マネジメントを自分でするという考え方ですね。その上で、私たちのような投資顧問をうまく活用していただきたい。
 あとは、あまり短期の結果だけに一喜一憂しないでいただきたいと(笑)。もちろん、短期的に利益を上げることを目指す気持ちも理解できます。ただ、それだけではなく、長期投資と短期投資の両方に分散投資する、といった投資スタンスも、最終的な利益を考えれば必要なのだと思います。皆様のコンパスを目指すとはとは言え、大きな波を受ければ一時的にぶれることもあります。ですが、大きな方向だけは正しく指し示せるよう、つまり中長期的には間違いが無かったと思っていただけけるように、アナリストたちとともに、銘柄を厳選してご紹介したいと考えていますので。

《編集後記》
 「YAHOO! 株価予想」などで注目される小野山氏。いかにも好々爺的なやさしい風貌とともに、的確な銘柄選定によってネットではすでに注目の的となっている。
 そんな小野山さんが、ご自身のキャリアで現物株を扱ったことが無い、というのは正直意外だった。だが、会社の都合による無理な取引勧誘が幅を利かせていた時代の証券会社にあって、当時としては開明的なアセット・マネジメント分野に従事していたからこそ、投資家の利益を考えたオピニオンが展開できるのだと合点がいった。
 短期的な株価の動向に左右されがちな私たち個人投資家にとって、多方面の状況を把握したうえで語られる小野山氏のオピニオンは、
やはり「大航海に必要なコンパス」と成り得るのではないだろうか。

(みんかぶ編集部)

 

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配信元: みんかぶ株式コラム