東京鐵鋼は株主総会後に久々の相場へ発展する可能性大
2014年3月期決算の発表が一巡。6月には政府の成長戦略の取りまとめに年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革を控えていることから、相場全体に底上げムードが高まっていますので、増益銘柄、増配・復配銘柄、割安銘柄などを見直す動きが見られています。
また、株主総会を6月末に控えていることもあり、米ファンド、サード・ポイントといった、「物言う株主」の存在も意識され、株高を演出するような報道もなされると予想されます。
直近の開示情報で、興味深く思ったのは、東京鐵鋼(東1:5445 29日終値444円)。5月22日大引け後、同社は2008年に導入した「買収防衛策」を更新せず廃止すると発表しました。導入当時に比べて、鉄鋼メーカーに対して敵対的買収を仕掛ける機運が世界的に低下したと判断したようで、6月27日に開催する定時株主総会の終了をもって廃止します。
「買収防衛策」の有無にかかわらず、今後大規模買付行為を行う者に対しては、適切な措置を講じるとしていますが、同社は、実質無借金経営の好財務内容に加え、「買収防衛策」という重石がなくなったことで、物言う株主といわれるファンド勢の投資対象になる可能性が出てきました。
足元の業績、前3月期営業利益は17億6700万円(前の期比58.6%減)だったが、今3月期営業利益は34億円(前期比92.4%増)と回復を見込む。年間配当は10円(同3円増)と前々期の水準まで戻す見通し。都市再開発に欠かせない『ネジテツコン』や『RB耐震補強工法』などテーマに乗った期待材料を内包し、政府の成長戦略はフォローの風となる可能性大。今期予想PER9倍台・PBR0.61倍と割安感があり、配当利回りは2.2%と利回り妙味もソコソコあり、見直し余地が広がります。
欧州中央銀行の追加緩和観測を受けて海外金利が低下したことを受け、新発10年物国債利回りが0.575%に低下しており、キャッシュリッチ企業など増配余地のある銘柄は市場の関心を集めると思われます。都市再開発関連で、大幅増益で回復が見込まれ、バリュエーション的にも割安感があり、昨年12月末時点では現金等と有利子負債を差し引くと42億円ほど現金が残る計算で、投資対象として魅力が増します。
不動産バブル相場当時、1990年7月26日に4250円の上場来高値をつけた経緯がありますので、株主総会終了を機に久々の相場に発展すると期待されます。
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